緑茶と紅茶はどれぐらい体にいいのか?がん、心血管疾患、死亡率との関連
緑茶と紅茶が健康に与える効果についてはさまざまな研究があります。これまでの研究結果を統合したところ、緑茶にも紅茶にも、多く消費した人で死亡率が低い傾向があり、緑茶を1日1杯多く飲むことに対応して死亡率4%の低下が見られました。
◆過去の研究を統合
研究班は、文献検索により、緑茶と紅茶の消費量と
◆1日1杯の緑茶で死亡率4%低下
得られたデータの解析から、紅茶を多く飲むこととがんによる死亡の減少、緑茶を多く飲むことと心血管疾患による死亡の減少に関連が見られ、全体として次の結果が得られました。
全死因死亡の要約リスク比は、緑茶消費量が最も多い群で最も少ない群に対して0.80(95%信頼区間0.68-0.93)、紅茶消費量が最も多い群で最も少ない群に対して0.90(95%信頼区間0.83-0.98)だった。
用量反応解析から、緑茶の消費量が1日あたり1杯増えることは心血管疾患死亡リスクの5%減少、また全死因死亡リスクの4%減少と関連することが示された。
緑茶についても、紅茶についても、多く飲む人で全体としての死亡率が低く、緑茶を1日あたり1杯多く飲むことに関連して、全体としての死亡率が4%低くなっていました。
この結果から、必ずしも緑茶と紅茶を飲むことでがんや心血管疾患を予防できるとは言えません。健康な人がお茶をよく飲む傾向があったなど、ほかの可能性もありえます。また、この研究で調べた範囲を超えてお茶を多く飲んでも、効果が増すとは期待できません。
とはいえ、緑茶や紅茶を日常的に飲む習慣がある人は、比較的健康的である場合が多いのかもしれません。
執筆者
Tea consumption and mortality of all cancers, CVD and all causes: a meta-analysis of eighteen prospective cohort studies.
Br J Nutr. 2015 Jul 23 [Epub ahead of print]
[PMID: 26202661]
※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。