2015.08.05 | ニュース

肝臓がんの治療後、免疫療法で生存率が改善

韓国230人の第3相ランダム化試験
from Gastroenterology
肝臓がんの治療後、免疫療法で生存率が改善の写真
(C) science photo - Fotolia.com

肝臓にできるがんの中でも代表的な肝細胞がんには、手術などの標準的な治療がありますが、治療後の再発もまれではありません。韓国で治療後の患者に免疫療法を使ったところ、全体としての生存率に改善が見られました。

◆肝細胞がん治療後の患者をランダム化

研究班は、次の対象者について免疫療法の効果を調べました。

この研究は、韓国の大学病院で、肝細胞がんに対して外科的切除、ラジオ波焼灼術、または経皮的エタノール注入を受けた患者230人を対象とした。

肝細胞がんがあり、すでに手術、ラジオ波焼灼術、経皮的エタノール注入のいずれかの治療を受けていた人を対象として、さらに免疫療法を行うことで、治療後の再発を抑え、生存期間を長くする効果があるかどうかを調べました。230人の対象者は60週間のうちに16回の注射による免疫療法を受けるグループ(免疫療法群)と、免疫療法を受けないグループ(対照群)にランダムに分けられました。

 

◆全死因死亡が減少

次の結果が得られました。

無再発生存期間の中央値は免疫療法群で44.0か月、対照群で30.0か月だった(免疫療法群のハザード比0.63、95%信頼区間0.43-0.94、片側log-rank検定でP=0.010)。免疫療法群では対照群よりも、全死因死亡のハザード比も低く(0.21、95%信頼区間0.06-0.75、P=0.008)、がん関連死亡のハザード比も低かった(0.19、95%信頼区間0.04-0.87、P=0.02)。対照群よりも免疫療法群で有意に高い割合の患者に有害事象があったが(対照群の41%に対して62%、P=0.002)、深刻な有害事象のあった患者の割合は群間で有意な違いがなかった(対照群3.5%に対して7.8%、P=0.15)。

免疫療法群では、対照群に比べて、再発なく生存した期間が長く、がんによる死亡が少なく、すべての死因をあわせた全体としての死亡が少なくなっていました

 

免疫療法はさまざまな種類のがんに対して、新しい治療法の候補として研究されています。肝細胞がんに対して、ここで示された結果から有効性と安全性が認められれば、実際の治療として広く使うことができるようになるかもしれません。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Adjuvant immunotherapy with autologous cytokine-induced killer cells for hepatocellular carcinoma.

Gastroenterology. 2015 Jun

 

[PMID: 25747273]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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