2015.07.13 | ニュース

尿検査でメタボ診断に、マーカー物質とHbA1c、コレステロール、リスク因子の関連

和歌山医科大学など、1,690人の横断研究
from Obesity (Silver Spring, Md.)
尿検査でメタボ診断に、マーカー物質とHbA1c、コレステロール、リスク因子の関連の写真
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糖尿病の診断には経口ブドウ糖負荷試験という検査がありますが、血糖値は食事などによって常に変動しているため1回の血液検査ではわからない情報があります。HbA1cは血糖値の長期的な変化を反映しますが、信頼度に限界があるとも言われています。和歌山医大などの研究班は、尿に含まれる8-iso-PGF2αという物質によって、メタボリックシンドロームのリスクを予測できたことを報告しました。

◆和歌山県の対象者を尿検査

研究班は、変形性膝関節症の研究として和歌山県で進行中の大規模追跡研究の参加者1,690人のうち1,527人を対象として、尿検査で調べた8-iso-PGF2αの量と、メタボリックシンドロームに関わるほかの検査値との関連を統計解析しました。

 

◆メタボリックシンドロームのリスクと関連

解析から次の結果が得られました。

8-iso-PGF2αはHbA1cと有意に関連し、総コレステロール、HDLコレステロール以外のコレステロールと負の関連があった。

多変量ロジスティック回帰によって、8-iso-PGF2αレベルはメタボリックシンドロームのリスクがより多くあることと有意に関連し、この関連はより若い参加者についてより強いことがわかった。

8-iso-PGF2αは、HbA1cに加えて、メタボリックシンドロームのリスクが多いことと統計的に関連していました

研究班は「尿中8-iso-PGF2αは、特に比較的若い人々に対して、耐糖能異常とメタボリックシンドロームのリスク累積の信頼できるマーカーとなりえる」と結論しています。

 

糖尿病脂質異常症の検査と治療には何度も採血をする必要があり、尿検査である程度のことがわかれば、診断方法を変えられる場面があるかもしれません。ただし、この結果だけでは、8-iso-PGF2αがどの程度信頼できるのかはまだ不確かです。最終的な診断やその後の経過を予測できるかどうかがこの先問われるかもしれません。

 

【訂正7/13】糖尿病の診断基準について、「糖尿病の診断には経口ブドウ糖負荷試験という検査が必要」という不正確な記述があったため訂正しました。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Urinary 8-iso-prostaglandin F2α as a marker of metabolic risks in the general Japanese population: The ROAD study.

Obesity (Silver Spring). 2015 Jul

 

[PMID: 26054643]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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