子どものビタミンD不足は骨折と関係するのか?重症度と血中25(OH)Dの関連

ビタミンDは骨の維持・成長のために重要な役割があり、不足すると骨折が増えるとも考えられています。18歳以下の子どもを対象にした研究で、血中のビタミンDが少ないことと、骨折が比較的重症の場合との間に関連が見つかりました。
◆18歳以下の骨折を調査
研究班は、18歳以下の子どもを対象として、骨折患者369人と、骨折のない対照662人で、血液中の
◆重症の場合に関連あり
調査から次の結果が得られました。
AIS3の骨折は、AIS1または2の骨折に比べて低い25(OH)Dレベルと関連していた(AIS3で24.6±9.3ng/mL、AIS1で30.0±10.8、AIS2で28.3±8.4、P=0.001)。
手術が必要な「AIS3」という重症度に分類される骨折があった子どもでは、より軽症の骨折があった子どもに比べて、25(OH)Dが少なくなっていました。
この研究の方法では、重症の骨折に結び付きやすい生活習慣などの背景が、25(OH)Dが少ない原因にもなっていた可能性が考えられ、ビタミンD不足が重症の骨折の原因かどうかは必ずしも確かとは言えません。しかしビタミンDと骨折の関係は多くの研究が示唆するところであり、より確かな方法で比較することには価値があるかもしれません。
執筆者
Low Vitamin D Levels are Associated With Need for Surgical Correction of Pediatric Fractures.
J Pediatr Orthop. 2015 Jun 30 [Epub ahead of print]
[PMID: 26134078]
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