2015.07.08 | ニュース

子どものビタミンD不足は骨折と関係するのか?重症度と血中25(OH)Dの関連

1,031人の観察研究
from Journal of pediatric orthopedics
子どものビタミンD不足は骨折と関係するのか?重症度と血中25(OH)Dの関連の写真
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ビタミンDは骨の維持・成長のために重要な役割があり、不足すると骨折が増えるとも考えられています。18歳以下の子どもを対象にした研究で、血中のビタミンDが少ないことと、骨折が比較的重症の場合との間に関連が見つかりました。

◆18歳以下の骨折を調査

研究班は、18歳以下の子どもを対象として、骨折患者369人と、骨折のない対照662人で、血液中のビタミンDの指標である25-ヒドロキシビタミンD(25(OH)D)の量に違いがあるかを調べました。

 

◆重症の場合に関連あり

調査から次の結果が得られました。

AIS3の骨折は、AIS1または2の骨折に比べて低い25(OH)Dレベルと関連していた(AIS3で24.6±9.3ng/mL、AIS1で30.0±10.8、AIS2で28.3±8.4、P=0.001)。

手術が必要な「AIS3」という重症度に分類される骨折があった子どもでは、より軽症の骨折があった子どもに比べて、25(OH)Dが少なくなっていました

 

この研究の方法では、重症の骨折に結び付きやすい生活習慣などの背景が、25(OH)Dが少ない原因にもなっていた可能性が考えられ、ビタミンD不足が重症の骨折の原因かどうかは必ずしも確かとは言えません。しかしビタミンDと骨折の関係は多くの研究が示唆するところであり、より確かな方法で比較することには価値があるかもしれません。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Low Vitamin D Levels are Associated With Need for Surgical Correction of Pediatric Fractures.

J Pediatr Orthop. 2015 Jun 30 [Epub ahead of print]

 

[PMID: 26134078]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。