2015.07.02 | ニュース

変形性膝関節症の新治療になるのか?幹細胞で膝関節の軟骨が再生

東京医科歯科大学で10人を治療

from Clinical orthopaedics and related research

変形性膝関節症の新治療になるのか?幹細胞で膝関節の軟骨が再生の写真

変形性膝関節症などで起こる、膝関節の軟骨欠損に対する新しい治療として、「滑膜間葉幹細胞」という幹細胞の移植により軟骨を再生させる方法を東京医科歯科大学の研究班が開発しました。10人の患者に治療が行われ、画像、組織検査、機能・症状のスコアに改善が見られたことが報告されています。

◆膝に症状がある人10人を治療、3年追跡

研究班は、次の対象者に治療を行い、結果を追跡して調べました。

大腿顆の症候性(主に症状が出なくても良いような状況で)症状が出ていることの単一軟骨関節で骨同士が直接こすれないように、骨の表面についている組織。衝撃を吸収したり、関節が滑らかに動くのに必要病変病気が原因となって体に生じた、あるいは変化が起きた、その特定の部位のことを有する患者がこの研究への参加対象となり、2008年4月から2011年4月までに、10人の患者がこの研究に登録された。すべての患者が3年以上のフォローアップを完了した。

膝の軟骨の異常のため症状がある人10人が対象となり、全員が3年以上追跡されました。

 

◆画像ほかの改善あり

治療から次の結果が得られました。

MRI磁力(電磁波)を用いて、脳や内臓、筋肉、骨などの組織を詳しく調べる検査スコア(平均値±95%信頼区間)は治療前に1.0±0.3で、治療後に5.0±0.7であり、それぞれの患者で治療後に増加した(P=0.005)。4人の患者に行われたSecond-lookの関節鏡関節の中に小さいカメラを入れて、関節内部の状態を調べる検査検査で、すべての場合に軟骨欠損の質的改善があるように見えた。組織学的分析により、3人の患者で硝子軟骨が、1人の患者で線維軟骨が、深層に見られた。Lysholmスコア(中央値±95%信頼区間)は治療前に76±7、治療後で95±3であり、それぞれの患者で治療後に増加した(P=0.005)。

MRIの画像、治療後の関節鏡検査、生検病気(病変)の一部を採取すること。また、それを顕微鏡で詳しく調べる検査のこと。病気の悪性度の確認や、他の検査では診断が難しい病気の診断のために行われる(組織を取り出す検査)で改善の様子が見られ、症状などの総合評価であるLysholmスコアにも改善がありました

研究班はこの結果をふまえて「この治療の有効性を結論として示すには比較研究が[...]必要である」と述べています。

 

東京医科歯科大学は2015年7月1日に、痛みの症状がある患者の膝に幹細胞を移植する治療の臨床研究を7月下旬に開始することを発表しました。膝の病変に画期的な治療の登場となるか、期待がかかります。

 

【訂正7/14】「滑膜間葉幹細胞」を「滑膜間質幹細胞」とする誤りがあったので訂正しました。

執筆者

大脇 幸志郎


参考文献

Arthroscopic Transplantation of Synovial Stem Cells Improves Clinical Outcomes in Knees With Cartilage Defects.

Clin Orthop Relat Res. 2015 Jul

 

[PMID: 25925939]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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