2015.07.03 | ニュース
漢方薬が軽度のアルツハイマー病の認知機能を改善した
ランダム化比較試験により検証
from PloS one

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アルツハイマー型認知症の治療薬には、さまざまな報告がありますがまだ一定の見解は出ていないのが実状です。今回の研究は、軽度のアルツハイマー型認知症に対する漢方薬「益腎化濁」の効果を検証し、認知機能の向上効果を報告しました。
◆漢方薬群とドネペジル群にランダムに分類
今回の研究では、軽度のアルツハイマー型認知症患者144名を、漢方薬を処方する群(漢方薬群)と、アルツハイマー型認知症の進行抑制薬ドネペジルを処方する群(ドネペジル群)のどちらかに振り分け、24週後の認知機能への効果を検証しました。
◆漢方薬群でより認知機能が向上
調査の結果、漢方薬群では、ドネペジル群よりも、認知機能の評価であるADAS-cogとMMSEの点数が改善しました。
著者らは、この結果から「漢方薬は、軽度のアルツハイマー病患者の認知機能向上に有益かつ効果的」であることが示唆されると述べています。
アルツハイマー型認知症に確立した治療法が存在しない今、さまざまな研究成果が期待されます。そのひとつの治療法として、今後漢方薬も注目されるかもしれませんね。
執筆者
参考文献
Cognitive Improvement during Treatment for Mild Alzheimer's Disease with a Chinese Herbal Formula: A Randomized Controlled Trial.
PLoS One. 2015 Jun 15
[PMID: 26076022]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。