◆心筋梗塞患者をウォーキング群と通常の治療群にランダムに分類
心血管疾患リスクが低いと思われる心筋梗塞患者100名をウォーキング群と通常の治療群の2群にランダムに分け、以下の方法で調査しました。
急性心筋梗塞患者で、心血管疾患のリスクが低いと見られた対象者を、在宅での積極的屋外ウォーキングプログラムに参加するよう指導を受ける群(n=41)と、通常の治療を受ける対照群(n=45)にランダム割り付けした。
心筋梗塞患者を2群に分け、身体機能と性機能の評価を退院時と退院後30日に行いました。
◆ウォーキング群では勃起不全の患者が71%減少
調査の結果、以下のことが報告されました。
30日後、対照群では勃起不全の患者数がベースラインから9%増加していた(p=0.08)。しかしながら、在宅ウォーキング群では、勃起不全の患者数が71%有意に減少していた(p<0.0001)。
6分間歩行距離は、対照群と比べて在宅ウォーキング群で有意に増大していた(p=0.01)。
退院時に84%の患者が勃起不全でしたが、退院後に対照群では勃起不全の患者が増えた一方で、ウォーキング群ではその数が大幅に減少したという結果でした。
筆者らは、「[...]身体機能と運動療法、勃起機能には関係が認められた。」と述べています。
今回の研究からは断定することはできませんが、もしかしたらウォーキングによる自律神経系の改善が勃起不全の改善に結びついているのかもしれません。ただしウォーキングを行う際は医師の指示をしっかり受けることをおすすめします。
執筆者
A home-based walking program improves erectile dysfunction in men with an acute myocardial infarction.
Am J Cardiol. 2015 Mar 1
[PMID: 25727080]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。