◆ビタミンD不足の影響について
研究班は、ビタミンDが不足した人でパーキンソン病のリスクに違いがあるか、またビタミンDを補うことで変化があるかを調べるため、過去の文献の検証と統合を行いました。
◆補充でリスク減少
次の結果が得られました。
電子文献検索を手動の検索で補い、2015年3月までを検索した結果、採用条件を満たす7件の研究が見つかり、5,690人のパーキンソン病患者と21,251人のマッチングされた対照群がそこに含まれていた。
ビタミンD補充はパーキンソン病リスクの有意な減少と関連していた(オッズ比0.62、95%信頼区間0.35-0.90)。
7件の研究を統合した結果、ビタミンDが不足していた人がビタミンDを補充したとき、パーキンソン病のリスクが少なくなっていました。
研究班は「これらの結果は、ビタミンDとパーキンソン病のリスクの間の関連をよりよく検証するために、より大きい、適切にデザインされた研究を行うための刺激となるかもしれない」と結論しています。
この研究はビタミンDが正常範囲にある人について調べたものではなく、またパーキンソン病が発症してからの治療についてのものでもありません。さらに、ビタミンDが過剰になった場合には有害な作用があることも知られています。予防効果があるとすれば有益な研究につながるかもしれませんが、どのような場合が当てはまり、ビタミンDをどのように使うのが適切かはあわせて考える必要があるかもしれません。
執筆者
Associations between Vitamin D Status, Supplementation, Outdoor Work and Risk of Parkinson's Disease: A Meta-Analysis Assessment.
Nutrients. 2015 Jun 15
[PMID: 26083115]
※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。