脱毛した頭皮を治し、発毛をうながすローションを開発

円板状エリテマトーデス(DLE)は皮膚の発疹を特徴とします。免疫の異常によって起こる自己免疫疾患のひとつであり、ステロイド薬の外用などで治療されますが、頭の皮膚にできた場合、治っても痕が残って毛が生えなくなってしまうことがあります。タクロリムスという免疫抑制薬のローション剤が新しく開発され、3人の患者でDLEによる脱毛があった場所に使ったところ再び毛が生えるようになったことが報告されました。
◆ほかの治療の効きが悪い人が対象
研究班は、次のようにタクロリムスのローションを使いました。
治療難治性の、
生検 によって証明されたDLEの患者3人に、認可外の新薬であるタクロリムス0.3%のアルコールベースローション剤が、経口抗マラリア薬の補助療法として処方された。
DLEがあり、最初の治療で十分な効果が得られなかった3人の患者に、飲み薬の治療とともに、タクロリムスのローションを塗る治療を行いました。
なお、ここでタクロリムスと同時に使われている飲み薬(抗マラリア薬)は、日本ではDLEの治療としては承認されていません(2015年6月時点)。
◆症状改善、毛が生えた
治療後に次の結果が得られました。
3人の患者全員に、このレジメンによって3か月後に患部の重症度の改善と毛髪の再成長が見られ、その後も改善が持続した。
3人全員で
研究班は「アルコールベース0.3%タクロリムスローションは、
皮膚の症状は場合によっては心に重い負担となることがあります。ほかの治療が効かない場合の選択肢が増えれば、症状が起こってしまった人にとって頼もしいものになるかもしれません。
執筆者
Treatment of Scarring Alopecia in Discoid Variant of Chronic Cutaneous Lupus Erythematosus With Tacrolimus Lotion, 0.3.
JAMA Dermatol. 2015 Jun 3 [Epub ahead of print]
[PMID: 26039539]
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