2015.06.04 | ニュース

妊娠時のBMIが生まれてくる子どもの発達障害に影響する?

米国の調査でBMI35以上に関連がみられる
from Pediatrics
妊娠時のBMIが生まれてくる子どもの発達障害に影響する?の写真
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妊娠時の母親の健康状態は、生まれてくる子どもにさまざまな面で影響を与えると考えられています。アメリカの研究班は、母親が妊娠時に肥満であったとき、子どもの心理的な問題と関連があるかどうかを調べた結果、母親が重度の肥満だった場合、後に子どもが注意欠如・多動性障害(ADHD)などの問題を指摘されることが多かったと報告しました。

◆母親のBMIと子どもの発達の関連を調査

研究班は、2005年から2007年に行われた別の研究に参加した1,311組の母子を対象として、妊娠時の母親のBMI(体重÷身長の2乗)と、2012年時点での子どもの心理社会的発達の関連を調べました。

 

◆母親のBMI35が以上であった場合に各種問題が増加した

統計解析の結果、次のことが見つかりました。

社会人口学的要因を調整すると、妊娠中BMI35を超える肥満のあった母の子は、BMI18.5から24.9の通常の体重だった母の子と比べて、感情症状(調整オッズ比2.24、95%信頼区間1.27-3.98)、人間関係の問題(2.07、1.26-3.40)、心理社会的困難の全体(2.17、1.24-3.77)、注意欠如・多動性障害の診断(4.55、1.80-11.46)、自閉症または発達遅延の診断(3.13、1.10-8.94)、言語聴覚療法を受けること(1.93、1.18-3.15)、精神医学的サービスを受けること(2.27、1.09-4.73)、その他何か特別な必要に対するサービスを受けること(1.99、1.33-2.97)の頻度が増えていた。

妊娠中に母親が通常の体重だった場合に比べ、母親がBMI35を超える、比較的重度の肥満だった場合、子どもにADHD、自閉症または発達遅延などを指摘されることが多く、全体として心理社会的発達についての問題が多くなっていました。

 

この結果は、BMI35(身長が160cmなら体重約90㎏)という、日本ではあまり多くない例について関連を指摘したものです。またADHDが遺伝的要因や社会的要因に影響されうると考えれば、日本で軽度の肥満がある母親にも似た傾向が現れるかどうかはわかりません。ただ妊娠中の肥満はほかにも母子の健康にさまざまな影響があると言われており、リスクを総合して考えるうえでこの結果が参考になるかもしれません。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Maternal prepregnancy body mass index and child psychosocial development at 6 years of age.

Pediatrics. 2015 May

[PMID: 25917989]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。