細菌検査のイロハ
皆さんは、最後に顕微鏡に触れたのは、いつですか?中高の理科の授業以来触っていないという人が多いかもしれません。病院では血液の成分や、ばい菌(細菌や真菌など)を観察するために、日々使います。ここでは「細菌検査」についてご説明します。
病院で行われる検査の中に、
◆ 塗抹検査とは?
尿や痰などの
手軽な検査ではありますが、顕微鏡の見た目だけから菌の種類を推定するには知識と経験が必要です。プロの臨床検査技師さんは、「細菌にもそれぞれ表情があるんだよ」と言いますが…。
種類が特定できない場合には、菌の大まかな見た目からひとまずの治療方針を決定し、より詳しい種類は培養検査で確認することが多いです。
◆ 培養検査とは?
◆ 何のために菌の種類を調べるの?
効果的な抗菌薬は菌ごとに異なるため、菌の種類を特定することでより効率の良い治療を行うことができます。また、中には何の病気か正確な診断がついていない場合もあり、検体中に菌がいるかどうか、またどんな種類の菌がいるか、などを調べることが、診断の手がかりとなることもあります。
このような検査を日々行っているため、医療者にとって菌は「病気を引き起こすもの」ではありますが、「汚いもの」という感覚はあまりないのかもしれません。顕微鏡を覗き込んで「いたいた!やっぱりこの菌だ」と興奮している姿は、端から見ているとただの変人に映るかもしれませんが、大事なことを調べているのです。
執筆者
※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。