2015.05.23 | ニュース

男性の乳がんと性ホルモンの関係

大規模データによる症例対象研究
from Journal of clinical oncology : official journal of the American Society of Clinical Oncology
男性の乳がんと性ホルモンの関係の写真
(C) WavebreakMediaMicro - Fotolia.com

女性らしい体を作るのに欠かせないホルモン「エストロゲン」、実は男性も微量に分泌していることをご存知でしょうか。エストロゲンは男性にとって体毛を薄くしたり、肌の調子を整えるといった作用があります。今回、がん研究の国際的プロジェクトチームの調査で、男性にできる乳がんと、男性の血中エストロゲン濃度に関連があることが報告されました。

◆大規模な国際協同プロジェクトの集団調査データを利用

乳がんエストロゲンの関連性はこれまでの報告でも指摘されてきましたが、多くの研究の対象は女性で、男性のエストロゲンと乳がん発症の関連は明らかになっていませんでした。
今回の調査では、大規模な国際研究で得られた参加者のデータを利用し、乳がんを発症した男性101人の症例と、発症していない健康な男性217人を対照とした血液サンプルデータの解析を行いました。

 

◆エストロゲン濃度が高い男性で乳がんが多かった

調査の結果、エストロゲンの一種であるエストラジオールの血中濃度と乳がんの発症リスクとのあいだに、以下の関連性が見られました。

血中エストラジオール濃度の値が上位25%の男性群は下位25%の男性群に比べて、乳がんの発症がオッズ比で2.47倍 (95% CI, 1.10 to 5.58)多かった(トレンドに対してP=0.06)。

対象となった男性のうち、エストラジオールの濃度が上位1/4のグループでは、下位1/4のグループよりも多く乳がんが発症していました。

男性の乳がんは女性を含めた全ての乳がんの1%未満という非常にまれな疾患です。どこまで女性の乳がんと同様に考えることができるのか、まだわかっていないことも多いようです。

執筆者

sato

参考文献

Prediagnostic Sex Steroid Hormones in Relation to Male Breast Cancer Risk.

J Clin Oncol.  2015 May 11

[PMID: 25964249] http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25964249

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

MEDLEYニュース新着記事