2015.05.20 | コラム

目薬を2種類使う場合は、最低5分は空ける

点眼薬のなるほど〔その②〕

目薬を2種類使う場合は、最低5分は空けるの写真

皆さんは目薬を同時に2種類以上使った経験はありますか?目薬はしっかり点眼した場合、1滴さしただけでも溢れてしまうくらいの量が容器から出るようになっていて、まだ眼に液が残っているうちに次の目薬を点眼してしまうと液が溢れてしまう等、薬の効果が充分に得られないことが予想されます。それでは次の点眼までにどのくらいの時間をあければ良いのでしょうか?

◆ 複数の目薬を同時に使う場合・・・

目薬を2種類以上同時に使う時、あなただったらどの薬から使いますか?この質問にあえて極端な解答をするのであれば、

「順番はともかく、それぞれの間隔を最低5分はあけて下さい」

となります。

他にも気を配りたいこともあるのですが、まずはこの「間隔5分」が何故かを理解しましょう。

目薬を複数同時に使用する場合、一つめの薬をさした後にすぐに二つめの薬をさしてしまうと先にさした薬がまだ眼の表面に残っている状態ですので、結果的に眼から溢れてしまい薬の効果が充分に得られない可能性があります。

"しっかりと点眼できているのであれば"、大半の目薬は点眼してから5分くらいでおおよそ8〜9割くらいの量が吸収されるといわれています。医療機関によっては「間隔を10分あけて下さい」と指示をするところもありますが、これはより確実に吸収させるという狙い等があるからです。

 

◆ 10分あけた方がよいのだけれども・・・

しかしながら臨床上では3種類、あるいはそれ以上の種類の目薬を同時に使用しなくてはならないケースもあり、入院中であればまだしも日常生活の中で「間隔を10分」あけるというのはあまり現実的とはいえないのではないでしょうか。(仮に4種類の点眼薬を10分の間隔をあけてそれぞれ点眼していくとすると、単純計算で30分もかかる計算になります・・・。) 朝などの慌ただしい時間帯での点眼や薬の吸収までの時間などを考慮すると最低限「間隔5分」あけるというのは少なくとも現実的に守って頂きたいところです。(一部の目薬によっては吸収されるまで10分程かかる場合もあり、特別な指示がある場合はそちらに従って下さい。)

その他にも目薬を複数同時に使用する場合にはいくつかのセオリーの様なものもあるのですが、それはまた別の機会にご紹介します。

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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