◆ 酔い止め薬を飲む時の注意点
楽しい旅行や遠足。
しかしながら、乗り物酔いしやすい人にとっては一抹の不安が残ります。そのため、事前に薬を飲んでから車やバスに乗るという方もいらっしゃるのではないでしょうか?
乗り物酔いしやすい方にとって市販でも買える「酔い止め薬」は強い味方といえます。但し、この「酔い止め薬」とほかの薬の飲み合わせに対してはあまり注意されていないこともあります。
「酔い止め」は正式にはめまい等を抑える「鎮暈薬(ちんうんやく)」に分類され、その中には中枢神経興奮薬と抗ヒスタミン薬と呼ばれる2つの主成分を中心としている薬もあります。
抗ヒスタミン薬は花粉症やアトピー性皮膚炎などでも使用される薬で副作用として眠気などがあります。類似薬を耳鼻科や皮膚科から処方されていて服用中の方は、「酔い止め薬」と一緒に服用することで一時的に眠気などが強く現れる可能性があります。
もう一方の中枢神経興奮薬は更に注意が必要で、テオフィリンという気管支喘息の治療薬と類似した成分を含んでいる場合には、一緒に服用することで動悸や手の震え、顔の紅潮などの症状が現れる可能性もあります。
もちろん、これらの治療薬との飲み合わせが比較的問題ない「酔い止め薬」もありますので、喘息や花粉症の治療薬を服用中の方やそのご家族の方は、「酔い止め薬」を買われる際に是非とも医師や薬剤師にご相談ください。抗ヒスタミン薬やテオフィリン類似薬といった薬と一緒に飲んでも影響が少ない、ジフェニドールという成分やビタミンB6などで造られている「酔い止め薬」を活用し、過度な眠気や動悸に悩まされない、楽しい旅をどうぞ満喫して下さい。
執筆者
※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。