◆シトルリン化タンパク質に注目
英国ウォリック大学の研究チームは、変形性膝関節症の早期予測に関連する因子として、シトルリン化タンパク質に注目しました。シトルリン化タンパク質は、かねてから関節リウマチ患者や多発性硬化症患者の血中に存在すると言われており、今回の研究では、このタンパク質と変形性膝関節症の関連を検証しました。
◆変形性膝関節症患者では、シトルリン化タンパク質が多い
調査の結果、変形性膝関節症患者の血中にはシトルリン化タンパク質が多いことが判明しました。また、関節を損傷する前において、シトルリン化タンパク質、シトルリン化タンパク質抗体、ヒドロキシプロリンの3つの因子から変形性膝関節症を予測できる可能性を発見しました。
筆者らは、「今後の研究により、血中の物質から早期の変形性膝関節症を診断できることで、治療に役立つ可能性がある」と述べています。
変形性膝関節症は疼痛を伴い、重症になると人工関節を入れる手術が必要です。早期発見により予防することができれば、膝の痛みに苦しむ人が減り、医療費の削減にもつながる可能性があるかもしれませんね。
執筆者
Biomarkers of early stage osteoarthritis, rheumatoid arthritis and musculoskeletal health.
Sci Rep. 2015 Mar 19
※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。