2015.05.03 | ニュース

果物をたくさん食べる人は糖尿病性網膜症が少ない

京都で8年間フォローした978人のデータから
from Epidemiology (Cambridge, Mass.)
果物をたくさん食べる人は糖尿病性網膜症が少ないの写真
(C) Monkey Business - Fotolia.com

野菜や果物は「体にいい」と言われますが、具体的に病気とどんな関係があるかは必ずしも明らかではありません。そこで京都大学の研究班が、糖尿病によって起こる糖尿病性網膜症に注目し、統計解析から「果物を食べる量と糖尿病性網膜症の頻度に関連がある」という結果を出しました。

◆2型糖尿病患者978人を対象に

この研究は40歳から70歳の2型糖尿病患者で、調査開始時に糖尿病性網膜症または眼の重い病気を持っていた人を除く978人を対象にしました。

対象者は調査開始時に質問票で食習慣を答えたうえ8年間フォローアップされ、その間に糖尿病性網膜症発症したかどうかが記録されました。
 

◆果物を多く食べるグループに糖尿病性網膜症が少ない

対象者を果物の摂取量によって全体の1/4ずつの人数にグループ分けしたところ、果物摂取量の平均は一番少ないグループで23g、一番多いグループで253gでした。果物を多く食べるグループほど、ビタミンC、ビタミンE、カロテン、レチノール等価物(カロテンとレチノール等価物は体内でビタミンAになる)、食物繊維、カリウム、ナトリウムの摂取量が多くなる傾向がありました。

多くの人が2型糖尿病の治療として食事療法を受けていた結果、エネルギー摂取量はグループ平均で1日あたり1,644kcalから1,863kcal、そのうち脂肪から摂取されたエネルギーはおよそ25%と、普通の人よりも少なくなっていました。

糖尿病性網膜症を発症した人数は、果物の摂取量が少ないグループから順に83人、74人、69人、59人でした。年齢、性別や糖尿病の重症度などによってこの関連が影響されている様子は見つかりませんでした。摂取する果物と野菜の合計、ビタミンC、カロテンが多いほうが糖尿病性網膜症の発症が少ない傾向がありました。

 

この研究で8年間の食習慣をどこまで正確に測れているか、また果物の摂取量と発症の関連をどう解釈するかには議論の余地がありそうですが、それでも一定の傾向が見られたことで、より詳しい研究につながるかもしれません。食べ物と健康の関係がますます解明されることに期待しましょう。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Fruit intake and incident diabetic retinopathy with type 2 diabetes.

Epidemiology. 2013 Mar

[PMID: 23348071 ]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。