2015.12.03 | ニュース

糖質制限で糖尿病が増える?

女性4,502人のデータを解析

from Diabetes care

糖質制限で糖尿病が増える?の写真

食べるものに糖質を少なくする低炭水化物食は、血糖値を下げるかもしれないと言われています。しかし、その作用は結果として、糖尿病の発生を減らすことに結び付くのでしょうか。食習慣の聞き取り調査をもとにした研究が行われました。

◆妊娠糖尿病を経験した女性が対象

この研究は、1991年から2011年にかけて行われた追跡調査のデータのうちで、妊娠糖尿病と診断された女性を対象として、その後2型糖尿病が発生したかどうかを調べました。

2型糖尿病は生活習慣を主な原因とするタイプの糖尿病です。妊娠糖尿病は、妊娠によって血糖血液中のブドウ糖のこと。人が活動するためのエネルギー源。血液中の濃度を血糖値といい、糖尿病の診断に用いられる値が高くなった状態で、2型糖尿病の基準を満たさない場合もあり、出産後には正常に戻ることが多いとされます。

妊娠糖尿病の経験がある女性4,502人が対象となり、質問票で聞き取られた食事の内容と、その後の2型糖尿病発症症状や病気が発生する、または発生し始めることの関連について、統計解析が行われました。

 

◆肉が多い低炭水化物食で糖尿病が増える?

次の結果が得られました。

2型糖尿病の多変量調整ハザード比は、スコアが最も低い五分位群と最も高い五分位群の比較で、LCDの総スコアについて1.36(1.04-1.78、Ptrend=0.003)、動物LCDスコアについて1.40(1.06-1.84、Ptrend=0.004)、植物LCDスコアについて1.19(0.91-1.55、Ptrend=0.50)だった。

食事内容が低炭水化物食のパターンに当てはまる度合いが高かった人は、2型糖尿病の発症が多くなっていました

研究班は「妊娠糖尿病の病歴がある女性のうちでは、低炭水化物の食事パターンは、特に動物由来の食品からのタンパク質と脂肪の摂取量が多いときは、2型糖尿病のリスクがより高いことと関連する[...]」と述べています。

 

低炭水化物食が健康のために勧められるかどうかは、まだ検証の過程にあります。この研究のほかに、良い影響を報告した研究もありますが、安易に受け取るのではなく、さまざまな角度の情報をあわせて読み解く必要があるのかもしれません。

執筆者

大脇 幸志郎


参考文献

Low-Carbohydrate-Diet Scores and Long-term Risk of Type 2 Diabetes Among Women With a History of Gestational Diabetes: A Prospective Cohort Study.

Diabetes Care. 2015 Nov 17 [Epub ahead of print]

[PMID: 26577416]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。 [執筆者一覧]