骨盤底筋トレーニングの効果、客観的にはわずか、でも……。
中高齢者(特に女性)では骨盤臓器脱といって、直腸や子宮などが体の外に押し出されてしまうことがあり、重症の場合は手術が必要になります。オランダの研究で、骨盤底筋トレーニングが骨盤臓器脱をわずかに改善することが確かめられました。
◆287人の治療効果を比較
研究班は55歳以上で軽度の骨盤臓器脱がある女性287人を、トレーニングをするグループと
◆改善はあったが基準に届かず
トレーニングをするグループでは、経過観察グループに比べて、PFDI-20のスコアが平均9.1ポイントよく改善しました。またトレーニングをするグループの57%、経過観察グループでは13%が、全体として症状がよくなったと答えました。
15ポイントの基準には届きませんでしたが、トレーニングによって差ができることが確かめられ、主観的にも「効果があると思える」ことはあるようです。
骨盤底筋トレーニングは医師による治療というよりも、患者さんのやる気や継続性が重要です。今回の結果は、医師の方にとっても患者さんにとっても
執筆者
Effect of pelvic floor muscle training compared with watchful waiting in older women with symptomatic mild pelvic organ prolapse: randomised controlled trial in primary care.
BMJ. 2014 Dec 22
※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。