◆65歳以上の84,496人が対象
研究チームは65歳以上の84,496人を、PCV13の接種をするグループとしないグループに分け、対応する型の肺炎球菌による肺炎の発症数に違いがあるかどうかを調べました。
◆持続する予防効果あり
PCV13を接種するグループでは、接種しないグループと比べて、標的とした種類の細菌による感染症が大幅に減りました。病気のタイプによっては発症数が75.8%減っていました。予防効果は、平均3.97年間のフォロー期間のあいだ持続し、PCV13による深刻な副作用の増加は見つかりませんでした。
この研究の結果が発表されたあと、日本では2014年6月にPCV13が65歳以上に対しても保険適用になりました。「日本は予防接種の普及が遅れている」と言われることもありますが、これから高齢者の肺炎に対する予防接種は広がっていくのでしょうか? その中で、PCV13はどんな役割を果たせるでしょう?
執筆者
Polysaccharide conjugate vaccine against pneumococcal pneumonia in adults.,
N Engl J Med., 2015 Mar 19
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