アダパレン製剤[尋常性ざ瘡(にきび)治療薬]
尋常性ざ瘡(ニキビ)を初期の段階で治療し赤いニキビを減らすことで、炎症の強いニキビへの移行を防ぐ薬

アダパレン製剤[尋常性ざ瘡(にきび)治療薬]の解説

アダパレン製剤[尋常性ざ瘡(にきび)治療薬]の効果と作用機序

  • ニキビを初期の段階で治療し赤いニキビを減らし、炎症の強いニキビへの移行を防ぐ薬
    • 尋常性ざ瘡(ニキビ)は毛穴がつまり、初期では炎症がないニキビ(面ぽう)だが、増殖した菌や皮脂によって炎症がおこり赤いニキビへと移行していく
    • アダパレンは表皮における角化細胞の分化抑制作用や毛穴のつまりを解消させる作用などをあらわす
    • 本剤はアダパレンの外用塗布剤であり、ニキビを初期の段階で治療し炎症の強いニキビへの移行を防ぐ作用をあらわす
  • 使いはじめに、乾燥やヒリヒリ感などがあらわれる場合がある(使用を継続していくにつれ解消していくことが多い)

アダパレン製剤[尋常性ざ瘡(にきび)治療薬]の薬理作用

尋常性ざ瘡は、毛穴の出口を角質が塞ぎ、初期の段階では炎症のないニキビ(微小面ぽう、面ぽう)だが、増殖した菌(アクネ桿菌など)やたまった皮脂により炎症がおこり、赤いニキビへと移行していく。

本剤の成分であるアダパレンはビタミンA誘導体と類似した構造をもち、表皮における角化細胞の分化抑制作用や毛穴のつまりを解消させる角質剥離作用などをあらわす。これにより、ニキビを初期の段階で治療することで赤いニキビを減らし、炎症の強いニキビへの移行を防ぐことが期待できる。また、ビタミンA誘導体と類似した作用により肌のキメを整え毛穴を目立たなくするなどの効果も期待できるとされる。

アダパレン製剤[尋常性ざ瘡(にきび)治療薬]の主な副作用や注意点

  • 皮膚症状
    • 乾燥、不快感、落屑(皮膚が細かくはがれる)、紅斑、痒みなどがあらわれる場合がある
    • 上記症状は通常、軽度で一過性であることが多いが、継続使用中に消失又は軽減が認められない場合は医師や薬剤師に相談するなど適切に対応する

アダパレン製剤[尋常性ざ瘡(にきび)治療薬]の一般的な商品とその特徴

ディフェリンゲル

  • アダパレンの外用塗布剤(ゲル剤)
  • 使用方法などに関して
    • 1日1回、就寝前に洗顔後(洗顔後、必要に応じて保湿を行い)、患部に塗布する
    • (就寝前に)外用抗菌薬(ダラシンTゲル など)も使用する場合:本剤(ディフェリン)をニキビとその周囲に塗布した後、抗菌薬を(通常は)赤いニキビに塗布する

エピデュオゲル

  • アダパレンと過酸化ベンゾイルの配合製剤
    • 過酸化ベンゾイルはニキビの原因菌となるアクネ菌などに対する抗菌作用や皮膚の角層剥離作用などをあらわす
  • 紫外線に対する注意
    • 日光など紫外線にさらされることで皮膚刺激性が強くなるなどの可能性がある
    • 本剤使用中は帽子をかぶるなどして強い日光に本剤を塗った部分を長時間あてないように工夫する
    • 日焼けランプの使用や紫外線療法は避ける