こつなんこつしゅ
骨軟骨腫
骨にできる良性腫瘍の中で頻度が高い
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最終更新: 2026.07.03
骨軟骨腫の基礎知識
POINT 骨軟骨腫とは
骨軟骨腫は、骨の表面から外側に向かって突出する良性骨腫瘍です。小児期から思春期に見つかることが多く、膝周囲、上腕骨、肩甲骨、骨盤などに発生します。多くは無症状ですが、硬いしこりとして触れたり、腱や筋肉との摩擦による痛み、関節の動かしにくさ、神経や血管の圧迫症状を起こしたりすることがあります。診断では、X線検査を中心に、必要に応じてCT検査やMRI検査を行います。症状がなければ経過観察が基本ですが、痛み、神経・血管圧迫、関節可動域制限、骨変形、成人後の増大などがある場合は、手術による切除を検討します。
骨軟骨腫について
- 骨の表面から外側に向かって突出する
良性 骨腫瘍 - 表面に
軟骨 帽を持つ骨性の隆起 - 長管骨の骨端線近くにできやすい
腫瘍 - 成長期に大きくなり、骨成長が終わると増大が止まることが多い
病変 - 単発性と多発性あり
- 単発性骨軟骨腫の明確な原因は不明
- 外傷が直接の原因になる病気ではないとされる
病態 - 多発性では遺伝性多発性骨軟骨腫との関連
- 遺伝性多発性骨軟骨腫では EXT1、EXT2 などの
遺伝子 異常が関与していると指摘されている - 良性骨腫瘍の中で頻度が高い腫瘍
- 小児期から思春期に見つかることが多い病変
- 単発性が多く、多発性は一部
- 遺伝性多発性骨軟骨腫はまれな疾患
- 多発例では骨変形、低身長、四肢長差などを伴うことがある
- 悪性化はまれだが、成人後に増大する場合や痛みが強くなる場合は軟骨肉腫への変化に注意が必要
骨軟骨腫の症状
- 無症状のこともある
- 痛みがなく、偶然見つかることのある
病変 - 皮膚の上から硬いしこりとして触れることがある
- 骨の突出・しこり
- 膝、肩、骨盤周囲などに硬い隆起として自覚
- 成長とともに目立ってくることがある
- 痛みがなく、偶然見つかることのある
- 痛み
- 腱、筋肉、
靭帯 などがこすれることによる痛み - 運動時や圧迫時に痛みが出ることがある
- 滑液包炎を伴う場合がある
- 腱、筋肉、
- 関節可動域制限
腫瘍 の位置によって関節の動きが制限される状態- 膝、肩、股関節周囲で問題になることがある
- 神経・血管圧迫症状
- しびれ、痛み、筋力低下などの神経症状
- 血管圧迫による腫れ、冷感、血流障害など
- 部位によっては専門的評価が必要な状態
- 骨変形・四肢長差
- 多発性骨軟骨腫でみられやすい症状
- 前腕や下肢の変形、
脚長差 、低身長など - 成長期の整形外科的フォローが重要
- 悪性化を疑う症状
- 成人後に大きくなる腫瘤
- 急に痛みが強くなる状態
軟骨 帽が厚い病変- 画像上の変化を伴う場合は軟骨肉腫などの
鑑別 が必要
骨軟骨腫の検査・診断
問診 ・診察- いつからあるか、大きくなっているか、痛みの有無の確認
- 成長期か成人後かの確認
- 神経症状、血流障害、関節可動域制限の確認
- 家族歴や多発
病変 の有無の確認
X線検査 :診断の基本となる検査- 骨表面から突出する骨性病変の確認
腫瘍 の皮質骨と髄腔が元の骨と連続している所見 が特徴- 単発か多発か、骨変形の有無の評価
CT 検査- 骨の形態や部位を詳しく確認する検査
- 骨盤、肩甲骨、
脊椎 などX線 で評価しにくい部位で有用 - 手術計画にも利用
MRI 検査軟骨 帽の厚さや周囲組織との関係を評価する検査- 神経・血管圧迫、滑液包炎、悪性化が疑われる場合に有用
- 成人で軟骨帽が厚い場合は注意が必要
超音波検査 - 表在性病変の軟骨帽や滑液包炎の評価に使われることがある
- 小児や表面に近い病変で補助的に利用
病理検査 - 手術で切除した場合に診断確認
- 悪性化が疑われる場合に重要
- 画像だけで判断が難しい場合に検討
骨軟骨腫の治療法
経過観察 - 痛みがなく、神経・血管圧迫や変形がない場合の基本方針
- 成長期では大きさや症状の変化を定期確認
- 骨成長終了後に増大しないかの確認
- 手術
- 痛みがある場合
- 神経や血管を圧迫している場合
- 関節の動きに支障がある場合
- 骨変形や四肢長差の原因になっている場合
- 悪性化が疑われる場合、整容面で強い問題がある場合に検討
- 切除術
- 骨軟骨腫を根元から切除する治療
軟骨 帽を含めて十分に切除することが再発予防に重要- 成長板に近い場合は、成長障害を避けるため慎重な手術計画
- 多発性骨軟骨腫への対応
- すべてを切除するのではなく、症状や変形のある
病変 を優先 - 成長障害、骨変形、四肢長差の経過観察
- 必要に応じて矯正骨切り、
脚長差 への治療などを検討
- すべてを切除するのではなく、症状や変形のある
- 悪性化への対応
- 軟骨肉腫が疑われる場合は専門施設で評価
MRI 検査、CT 検査、生検 などを組み合わせて診断悪性腫瘍 としての切除や治療方針を検討