はしゅせいかんじだしょう
播種性カンジダ症
皮膚や粘膜と行った身体の表面ではなく、身体の深部におけるカンジダ感染のこと。血流感染症・肝膿瘍・脾膿瘍・腹膜炎・眼内炎などが多い
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最終更新: 2018.12.05
播種性カンジダ症の基礎知識
POINT 播種性カンジダ症とは
真菌の一種であるカンジダが身体の深部において感染を起こすことを播種性カンジダ症といいます。健常者において起こることはほとんどありませんが、免疫が低下した人や大きな手術を受けた人に起こります。疑われた場合には血液培養検査や画像検査が行われます。悪寒戦慄、意識朦朧などの強い症状が起こることが多いので、思い当たる節がある人は感染症内科のある総合病院を受診することが望ましいです。
播種性カンジダ症について
- 皮膚や粘膜と行った身体の表面ではなく、身体の深部における
カンジダ 感染のこと。血流感染症 (カテーテル関連血流感染症を含む)・肝膿瘍・脾膿瘍 ・腹膜炎・眼内炎などが多い - 以下の
病態 に合併 することが多い - 感染の起こる臓器は以下のものが多い
- 血液
- 眼球
- 肝臓
脾臓 - 腎臓
- 脳
- 心臓
- 播種性カンジダ症に
特異的 な症状や検査がないため診断を確定することは難しい - 以下の場面で起こりやすいことが分かっている
- 上記に該当する患者に原因不明の熱が出現した場合は播種性カンジダ症に注意が必要である
- 特に、広域
スペクト ラム抗菌薬 (多くの種類の細菌 に効果のある抗菌薬)を使用していたり、身体に医療デバイス(中心静脈カテーテル、ドレナージ チューブなど)が入っていたりする場合はリスクが高い
- 特に、広域
播種性カンジダ症の症状
- 播種性カンジダ症に
特異的 な症状はない - よく見られる症状は以下である:これらの症状が出たからといって必ずしも播種性カンジダ症ではないことに注意が必要である
- 発熱
- 悪寒
倦怠感 意識障害 (意識もうろう)紅斑 (皮膚が赤く変化する)- 皮膚結節(皮膚に盛り上がりができる)
- 視野異常
- 視力障害
- 関節痛
播種性カンジダ症の検査・診断
- 播種性カンジダ症には決定的な検査がない
- そのため、患者背景や検査結果などを踏まえて総合的に判断する必要がある
問診 好中球 が減少する背景がないか確認する- 手術の有無を確認する
抗菌薬 の使用歴を確認する
- 血液検査
- 好中球数や全身状態を確認する
培養検査 - 血液
膿瘍 - 尿
- 喀痰
- 眼球検査
- 眼内炎の有無を確認する
播種性カンジダ症の治療法
- 原因となっている
カンジダ の種類がわからない場合- アムホテリシンB
- ミカファンギン
- カスポファンギン
- ボリコナゾール
- C.albicansが原因と分かっている場合
- 全身状態が安定していればフルコナゾールを用いることができる