かぎゃくせいこうとうようはくしつのうしょうしょうこうぐん
可逆性後頭葉白質脳症症候群
頭痛や意識の悪化や視覚の異常、けいれんなどの症状を伴う病気。頭部MRI検査で後頭葉に異常な変化が出現する
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最終更新: 2023.05.09
可逆性後頭葉白質脳症症候群の基礎知識
POINT 可逆性後頭葉白質脳症症候群とは
高血圧などによって脳の血流が上手く調整できなくなることで起こる病気です。可逆性後頭葉白質脳症症候群(以下PRES(プレス))が起こると、頭痛やけいれん、物の見えにくさなどさまざまな症状が現れます。MRI検査では脳のむくみや血流が悪い様子が観察できます。PRESは一時的な脳血流の悪化が原因の病気なので、適切な治療を行えば、時間の経過とともに回復していきます。しかし、自然に治るわけではなく、未治療のまま長時間が経過すると後遺症が残ることもあります。PRESは持病や内服している薬が原因で起こることがあるので、原因を特定して再発させないことが重要です。
可逆性後頭葉白質脳症症候群について
- 可逆性後頭葉白質脳症症候群(英語名ではposterior reversible encephalopathy syndrome:PRES)
- 頭痛や意識の悪化や視覚の異常、けいれんなどの症状を伴う病気。頭部MRI検査で後頭葉に異常な変化が出現する
- 詳細にはわかっていないが、脳内の血圧が上昇することが原因と考えられている
- 脳の血流が上手く調節できなくなっていることや脳の血管の壁が障害されていることが関係していると考えられている
- 分かっていないことが多く、はっきりと診断基準が定まっていない
- 原因となる疾患や背景が多様である
- 高血圧性脳症(高血圧が原因で脳の障害が現れる病気)
- 妊娠高血圧症候群
- 薬剤(免疫抑制剤や化学療法など)
- 頭部外傷
- 肝不全
- 血液悪性腫瘍 など
可逆性後頭葉白質脳症症候群の症状
- 緩徐に出現する頭痛
- 意識障害(性格変化、傾眠から昏睡まで)
- 視覚の異常
- けいれん
可逆性後頭葉白質脳症症候群の検査・診断
可逆性後頭葉白質脳症症候群の治療法
- 可逆性(元に戻る可能性があること)と名前についているが、未治療のままで長時間が経過すると脳に後遺症が残ってしまうこともある
- 可逆性後頭葉白質脳症症候群を直ちに発見して、適切な治療を受けることが大切である
- 降圧薬の点滴を行い、しっかりと血圧を下げる治療を受けることが大切である
- 原因となる薬剤がある場合は、その薬剤を減量・中止する
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