じんじょうせいざそう
尋常性ざ瘡(にきび)
顔面や胸背部の毛穴詰まりによって皮脂が溜まったり、細菌が増殖することによって起こる皮膚の炎症性疾患
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最終更新: 2023.07.30
尋常性ざ瘡(にきび)の基礎知識
POINT 尋常性ざ瘡(にきび)とは
顔面・胸・背中などの毛穴で細菌が増殖することによって起こる皮膚の炎症性疾患です。いわゆる「にきび」として知られています。性ホルモンの分泌と関係があるとされており、性ホルモンが増える思春期の人に多く見られます。皮膚の赤い隆起や膿の塊、かさぶた、色素沈着(色がつくこと)が主な症状です。診断のために特別な検査は必要なく、視診(見た目を観察する診察)と問診によって行われます。にきびの治療は抗菌薬が用いられますが、患部の清潔を保つことが何より重要です。たとえば、顔にできている場合は1日数回の洗顔が有効です。また、それとともにストレスや睡眠不足といった症状の悪化を招くと考えられる生活習慣の見直しもまた重要です。尋常性ざ瘡について相談したい人は皮膚科を受診してください。
尋常性ざ瘡(にきび)について
- 顔面や胸背部の毛穴で
細菌 が増殖することによって起こる炎症 性の疾患- 毛穴の出口を角質が塞ぐことで、毛穴がふさがって皮脂がたまる
- 毛穴に住みついているアクネ桿菌などの作用により炎症が起こる
- 思春期には性
ホルモン (特にアンドロゲン )の分泌量が多いため、尋常性ざ瘡ができやすい - 以下のような状況は症状を悪化させる
- 月経前
- 毛穴を詰める化粧品(ファンデーションなど)
- 睡眠不足
- 精神的ストレス
- 間食 など
尋常性ざ瘡(にきび)の症状
- 主な症状
- 赤い皮膚の隆起(直径1cm以下)
膿 疱(うみ のかたまり)- かさぶた
色素沈着 など
- 症状がみられる部位は、前額が最も多い
- 年齢とともに頬、下顎に多くなる
- 膿疱を繰り返すと、
治癒 した後もでこぼことした瘢痕が残ることがある
尋常性ざ瘡(にきび)の検査・診断
尋常性ざ瘡(にきび)の治療法
尋常性ざ瘡(にきび)に関連する治療薬
アダパレン製剤[尋常性ざ瘡(にきび)治療薬]
- ニキビを初期の段階で治療し赤いニキビを減らし、炎症の強いニキビへの移行を防ぐ薬
- 尋常性ざ瘡(ニキビ)は毛穴がつまり、初期では炎症がないニキビ(面ぽう)だが、増殖した菌や皮脂によって炎症がおこり赤いニキビへと移行していく
- アダパレンは表皮における角化細胞の分化抑制作用や毛穴のつまりを解消させる作用などをあらわす
- 本剤はアダパレンの外用塗布剤であり、ニキビを初期の段階で治療し炎症の強いニキビへの移行を防ぐ作用をあらわす
- 使いはじめに、乾燥やヒリヒリ感などがあらわれる場合がある(使用を継続していくにつれ解消していくことが多い)
キノロン系外用抗菌薬
- アクネ菌やブドウ球菌などの細菌への抗菌作用により、尋常性ざ瘡(ニキビ)や表在性皮膚感染症を治療する薬
- ニキビはアクネ菌などの細菌が、また伝染性膿痂疹(とびひ)などの表在性皮膚感染症はブドウ球菌などの細菌が皮膚症状をおこす原因の一つになる
- 細菌の増殖には遺伝情報をもつDNAの複製が必要となる
- キノロン系抗菌薬はDNA複製に必要な酵素を阻害することで抗菌作用をあらわす
過酸化ベンゾイル製剤[尋常性ざ瘡(にきび)治療薬]
- 尋常性ざ瘡(ニキビ)の原因菌の増殖を抑えたり毛穴の閉塞を改善することでニキビを減らす薬
- ニキビは皮脂の分泌増加や毛穴が古い角質により塞がれることで菌(アクネ菌など)が増殖することによっておこる
- ニキビの初期は面ぽう(白ニキビ、黒ニキビ)という状態だが、増殖した菌により炎症がおこり赤ニキビや膿がたまった状態の黄ニキビへ移行していく
- 過酸化ベンゾイルはニキビの原因菌に対する抗菌作用や毛穴の閉塞の改善作用などをあらわす
- 過酸化ベンゾイルに加え他の成分を配合したニキビ治療薬がある
- 過酸化ベンゾイルとクリンダマイシン(抗菌薬)の配合剤:デュアック配合ゲル
- 過酸化ベンゾイルとアダパレンの配合剤:エピデュオゲル