まくせいぞうしょくせいしきゅうたいじんえん
膜性増殖性糸球体腎炎
腎臓の中にある糸球体の血管やその周辺の組織が、増殖したり厚くなったりする病気。ネフローゼ症候群の一種である
5人の医師がチェック 25回の改訂 最終更新: 2022.02.18

膜性増殖性糸球体腎炎の基礎知識

POINT 膜性増殖性糸球体腎炎とは

糸球体の血管やその周辺の組織が増殖して厚くなる病気のことで、 糸球体の機能が低下して尿に大量のタンパク質が漏れ出るネフローゼ症候群の原因の1つです。膜性増殖性糸球体腎炎は原因がわからないタイプ(一次性)と他の病気が原因で起こるタイプ(二次性)があります。二次性増殖性糸球体腎炎を起こす病気にはC型肝炎やSLE、クリオグロブリン血症などが知られています。身体のむくみや高血圧を契機に発見されることもあれば、健診などでのタンパク尿や血尿などの指摘から見つかることもあります。 膜性増殖性糸球体腎炎が疑われる場合には、尿検査や血液検査、腎生検などで診断が行なわれます。治療にはステロイド薬や免疫抑制薬、抗凝固薬、抗血小板薬が用いられますが、治療の効果が十分得られずに慢性腎臓病に発展してしまうこともあります。当てはまる症状がある人や、健康診断などでたんぱく尿や血尿の指摘がある人は膜性増殖性糸球体腎炎の可能性があります。内科や腎臓内科の受診を検討してください。

膜性増殖性糸球体腎炎について

  • 腎臓の中にある糸球体の血管やその周辺の組織が、増殖したり厚くなったりする病気
  • 原因不明の一次性と、他の病気が原因で起こる二次性がある

膜性増殖性糸球体腎炎の症状

  • 症状は特に自覚していない状態健診の尿検査で発見されることも多い
  • ネフローゼ症候群による症状(浮腫や高血圧など)が起こることがある
    • 血尿合併することも多い

膜性増殖性糸球体腎炎の検査・診断

  • 尿検査:尿中のタンパク質の有無や量を調べる
  • 血液検査
    • 血液中の免疫に関わる物質(補体など)を検査する
  • 生検・病理検査:体の外から針を刺して採取した細胞を顕微鏡で観察する
  • 二次性の原因となる他の病気がないかの検査も行う

膜性増殖性糸球体腎炎の治療法

  • 根治につながる治療法は確立されていない
    • ステロイド薬による治療を中心に、免疫抑制薬や抗凝固薬抗血小板薬などを使用する
  • 治療の効果が十分に出ないことも多く、慢性腎臓病になることも多い

膜性増殖性糸球体腎炎が含まれる病気

膜性増殖性糸球体腎炎のタグ

膜性増殖性糸球体腎炎に関わるからだの部位