しんぞうねんえきしゅ
心臓粘液腫
心臓にできる良性腫瘍の一種で、心臓腫瘍の中で最も頻度が高い
4人の医師がチェック 12回の改訂 最終更新: 2018.08.13

心臓粘液腫の基礎知識

POINT 心臓粘液腫とは

心臓にできる良性腫瘍(良性のできもの)の1つで、その中で最も頻度が高いです。 良性腫瘍なので「がん」ではありません。心臓は左心房、右心房、左心室、右心室の4つの部屋に分かれますが、心臓粘液腫は左心房という場所に最もできやすいです。息切れや失神やめまい、息苦しさなどのさまざまな症状が現れ、無症状の場合でもその後に心臓の動きに悪影響を及ぼしたり血のかたまりをつくったりする原因になるので、手術で腫瘍を取り除く必要があります。心臓粘液腫が疑われる場合には超音波検査や心電図検査、CT検査、MRI検査などで詳しく調べられます。息切れや失神、めまいといった症状がある場合、心臓粘液腫は原因の1つとして可能性があります。循環器内科や内科、心臓血管外科などを受診してください。

心臓粘液腫について

  • 心臓にできる良性腫瘍の一種
    • 心臓腫瘍の中で最も頻度が高い(心臓腫瘍の約50%)
    • ゲルのような腫瘍で、がんではない
  • 女性に多く、また左心房にできる場合が多い
    • 心臓粘液腫の75%は左心房に発生する
    • 心臓粘液腫の5-10%は遺伝性であり、その場合は若い男性に多い

心臓粘液腫の症状

  • 腫瘍僧帽弁付近の血液の流れを邪魔することで僧帽弁狭窄症に似た症状が起こることがある
    • 息切れ
    • 失神、めまい
    • 症状が進むと、肺高血圧症や右心不全などを合併することがある
    • 腫瘍が血液の流れを完全に止めると突然死を起こすこともある
  • 腫瘍の一部が血流にのって、血栓症(特に脳梗塞)を起こすことがある
    • 左心系(左心房左心室)に腫瘍ができると、脳梗塞など肺以外の全身の臓器に血栓塞栓症を起こしうる
    • 右心系(右心房右心室)に腫瘍ができると肺塞栓の原因となる

心臓粘液腫の検査・診断

  • 心臓超音波検査腫瘍の大きさや位置、心臓内の血流についても検査可能
  • その他に以下のような画像検査や心臓の検査を行う
    • 心電図検査
    • CT検査
    • MRI検査

心臓粘液腫の治療法

  • 外科的手術が原則
    • 脳梗塞肺塞栓症、突然死(心臓の逆流防止弁にはまり込む)の原因となることがあるため、発見されたら早期に手術することが望ましい

心臓粘液腫のタグ

心臓粘液腫に関わるからだの部位