だっこう
脱肛
肛門や直腸の粘膜が、肛門からはみ出てしまう病気
4人の医師がチェック 105回の改訂 最終更新: 2020.02.28

脱肛の基礎知識

POINT 脱肛とは

肛門や直腸の粘膜が肛門からはみ出してしまう病気のことです。内痔核や肛門括約筋(肛門を締める筋肉)の衰え、肛門の手術の後遺症が主な原因です。脱肛が起こると出血や腸の脱出、痛みなどが起こります。診断は問診と診察から行われ、治療には軟膏が中心になります。排便習慣の改善や、脱肛の部分を清潔にすること、食生活の改善(アルコールの過量摂取や刺激物を避ける)を行うことで、改善が期待できます。脱肛が心配な人は肛門科や消化器内科、消化器外科を受診してください。

脱肛について

  • 肛門や直腸の粘膜が、肛門からはみ出てしまう病気
  • 主な原因
    • 痔核イボ痔)の慢性化、悪化(最も多い原因)
    • 加齢による肛門括約筋の衰え
    • 肛門や直腸粘膜を支えている組織が弱くなる
    • 肛門の手術を受けた後の後遺症
  • 脱肛の程度
    • Ⅰ度 : 排便時に痔核が肛門内でふくれるが、肛門外にははみ出ない
    • Ⅱ度 : 排便時に力むと痔核が肛門外にはみ出るが、排便後には自然に戻るもの
    • Ⅲ度 : 排便時はもちろん、力仕事をしたり長時間立ってるだけで痔核がはみ出てしまい、手で肛門内に戻す必要のあるもの
    • Ⅳ度 : 常に痔核が外にはみ出ており、完全に肛門内に納めるのが不可能なもの
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脱肛の症状

  • 出血
    • 排便後、少量の血液が紙に付着する程度のものから、勢いよく流れ出るものまでさまざま
  • 脱出
    • 初期に、痔核は肛門内にとどまっているが、症状の進行とともに徐々に肛門外にはみ出るようになる
    • 程度は、排便時などに肛門の一部がはみ出るものから、肛門全周がはみ出てしまうものまでさまざま
  • 疼痛
    • 通常、痔核は痛みを伴わない
    • 肛門潰瘍合併したり、強い炎症があったり、はみ出た痔核が戻らなくなったり(嵌頓痔核)した際に痛みが現れる
症状の詳細

脱肛の検査・診断

  • 問診と診察から診断される
検査・診断の詳細

脱肛の治療法

  • 通常の脱肛
    • 座薬軟膏などの局所用剤、経口薬の使用とともに日常生活の改善が必要となる
  • 以下のような場合は手術が検討される
    • 出血が止まらない
    • III-IV度の脱肛で、日常生活に支障がある
    • 痛みが強く日常生活に支障があり、すぐに治癒する見込みがない
  • 日常生活の改善の例
    • 排便習慣の改善
      • 便秘・下痢を起こさないようにする
    • 局所の清潔
      • 毎日の入浴やシャワートイレの使用など
    • 食生活
      • アルコールや刺激物(唐辛子など)を避ける
    • なるべく、力んで重いものを持ったり、長時間同じ姿勢を続けたりしない
治療法の詳細

脱肛のタグ

脱肛に関わるからだの部位