がんせいふくまくえん
がん性腹膜炎
各種のがんが、腹膜に転移して起こる状態。腹水が溜まったり、腸閉塞を引き起こす
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最終更新: 2023.08.04
がん性腹膜炎の基礎知識
POINT がん性腹膜炎とは
がん性腹膜炎はがんが進行してお腹の中にがん細胞が転移し、水が溜まった状態のことです。胃がん、大腸がん、膵臓がん、卵巣がんなど腹部臓器のがんが進行すると、がん性腹膜炎を起こすことがあります。他の部位のがんが原因になることもあります。症状はお腹が張る・吐き気・腹痛・食欲不振などで、ひどい人では腸閉塞や腎不全の原因になることもあります。 がん性腹膜炎の治療としては、針を刺して水を抜く、利尿薬を使う、などがあります。根本的にはがんそのものの治療をしないと腹水は減りにくいので、抗がん剤治療も検討されます。進行がんと診断されていてお腹の張りが気になる人は、がん性腹膜炎の可能性があります。まずはがんの治療をしている医療機関に相談してください。
がん性腹膜炎について
がん性腹膜炎の症状
- 起こりうる症状
- 吐き気
- 食欲不振
- 便秘
- 下痢
腹部膨満 感- 腹痛
- 全身のだるさ
- るいそう(激しいやせ)
がん性腹膜炎の検査・診断
- 画像検査
腹部CT検査 腹部超音波 (エコー )検査
腹水 検査:がん 細胞の有無を調べる- お腹の表面を消毒し、局所麻酔の痛みどめをして針を刺して腹水を吸い出してくる
がん性腹膜炎の治療法
- 原因となる病気に対する治療が優先される
腹水 が溜まってお腹が張るなどの症状が強いときは排液(腹膜に穴を開け溜まった水を抜く)を行うがん が進行してくると、がん細胞に栄養を横取りされて栄養状態が落ちてしまう- 排液すると体外にタンパク質を出すことになるため、さらに低栄養になってしまう懸念がある
- 腹水濾過濃縮再
静注 法(CART)という、腹水から必要な成分のみを濃縮して体に戻すという方法もあるがその有効性は確立していない
- がん性腹膜炎の
発症 は、腹腔内のいたるところにがん細胞が散らばっていることを意味する- がんが全身に広がっているため、がん性腹膜炎になるとその後のがんの経過は良くないことが多い