陰のう水腫の検査について:触診、超音波検査など
陰のうが腫れる病気はいくつかありますが、陰のう水腫はその中でも比較的多くの人に見られる病気です。ただし、
1. 問診
【陰のう水腫が疑われる人への質問例】
- 症状について
- 痛みはあるか
- 症状の改善・悪化はあるか
- 症状に気づいたのはいつか
- 背景について
- 持病(今治療中の病気)や過去にかかった病気はあるか
- 内服している薬はあるか
お医者さんは問診で得た情報をもとにして、症状の原因となりえる病気を順位付けします。上の質問例は医師の立場からみて、順位付けに重要なものをピックアップしたものです。お医者さんに症状を伝える際の参考としてください。 中でも薬や持病・過去かかった病気は症状に比べて、伝え漏らしやすいものです。事前にメモを用意しておいたり、「お薬手帳」を使うと正確性が高まるので、参考にしてください。
2. 身体診察
問診に続いて身体診察が行われることが多いです。身体診察ではお医者さんが患者さんの身体を見たり触ったりしてくまなく調べます。身体診察にはいくつか種類がありますが、陰のう水腫が疑われる人には触診が重要です。
陰のうが腫れる病気には陰のう水腫の他に精巣腫瘍や精巣炎などがあります。陰のう水腫は精巣の周りに液体が溜まるのに対して、精巣腫瘍や精巣炎は精巣自体が腫れ上がります。このため、陰のうを触った感じが異なります。具体的には、陰のう水腫であれば、プニプニとしており水風船のような感触です。対して、精巣腫瘍や精巣炎であれば、その感触は硬いものを触っているようです。このように身体診察で、陰のう
3. 画像検査:超音波検査、CT検査、MRI検査
画像検査とは身体の中の状況を画像化する検査のことです。陰のう水腫が疑われる人には
【陰のう水腫が疑われる人の画像検査】
- 超音波検査:超音波を利用
- MRI検査:磁気を利用
- CT検査:放射線を利用
上記のように方法はいくつかありますが、多くのケースで行われるのは超音波検査です。超音波検査では陰のうが腫れている原因が「液体の貯留」なのか「精巣の腫大(大きくなること)」かがはっきりと分かります。ですので、超音波検査の結果だけで診断が行われることも少なくありません。ただし、超音波検査で原因がはっきりしないこともあります。その際にはMRI検査やCT検査が追加で行われます。
参考文献
・「標準泌尿器科学」(赤座英之/監 並木幹夫、堀江重郎/編)、医学書院、2014
・「泌尿器科診療ガイド」(勝岡洋治/編)、金芳堂、2011