陰のう水腫の治療について:手術は必要? 経過観察は可能?
陰のう水腫の主な治療は手術と
1. 自然治癒することがあるので必ず治療しなければいけないわけではない
陰のう水腫は自然
2. 手術
陰のう水腫が起こるのは、陰のう内に液体が溜まるスペースが存在するためです。手術では液体が溜まりやすいスペースを塞ぎます。具体的には、陰のうもしくは鼠径部を数センチ切開し、中身の液体を抜きます。その後、組織を縫い合わせて液体がたまっていたスペースを塞ぎます。
陰のうと鼠径部のどちらを切開するかは、陰のう水腫のタイプによって決まります。鼠径部の切開が必要となるのはお腹のなかと陰のうがつながっているタイプの陰のう水腫です。
切る部分が陰のうにしろ鼠径部にしろ数日間の入院が必要ですが、お腹や胸を切る手術に比べれば身体への負担は軽めです。また、手術の効果は高く、再発することはほとんどありません。
3. 穿刺排液治療:陰のう内部にたまった水分を注射器で吸い出す治療
手術だけではなく、注射針で陰のう内部の液体を抜くことでも症状を改善することができます。手術に比べて身体への負担が小さく、入院する必要もありません。外来で、数分で治療することができます。メリットもある穿刺排液治療ですが、再発することがあるので、子どもや再発を繰り返している人には不向きだと考えられています。
参考文献
・「標準泌尿器科学」(赤座英之/監 並木幹夫、堀江重郎/編)、医学書院、2014
・「泌尿器科診療ガイド」(勝岡洋治/編)、金芳堂、2011