亜急性皮膚エリテマトーデスの基礎知識
POINT 亜急性皮膚エリテマトーデスとは
顔・体幹・腕などにできる薄い赤みがかった円形の発疹です。この発疹が見られる人には全身性エリテマトーデスやシェーグレン症候群などの膠原病が隠れていることがあるので注意が必要です。そのため、膠原病がないか調べるため、血液検査や皮膚生検といって皮膚の一部と取って顕微鏡で調べる検査を行います。全身性エリテマトーデスやシェーグレン症候群がある場合はこれらに対する治療を優先しますが、ない場合にはステロイドの外用薬を用いて症状を和らげる治療(対症療法)を行います。ステロイドの外用薬のみで良くならない場合はステロイドの飲み薬や免疫抑制薬を使うこともあります。気になる方は皮膚科、リウマチ内科、膠原病内科を受診してください。
亜急性皮膚エリテマトーデスについて
- 顔、体、腕などにできる薄い赤みがかった円形の
発疹 - 全身性エリテマトーデスやシェーグレン症候群などの
膠原病 でも見られるため、この発疹が見られた時はこれらの疾患がないか調べる必要がある この発疹を認める約半数の方が全身性エリテマトーデスの診断基準を満たす
亜急性皮膚エリテマトーデスの症状
- 顔、体、腕などに以下のような
発疹 ができる- 中央の色が薄い円形(環状)の赤い
皮疹 - 表面がかさかさした盛り上がりのある皮疹(
丘疹 )
- 中央の色が薄い円形(環状)の赤い
- 全身性エリテマトーデスを
合併 した場合も腎症状 や神経症状が出ることは少ない
亜急性皮膚エリテマトーデスの検査・診断
- 血液検査
自己抗体 検査 全身性エリテマトーデスやシェーグレン症候群がないか調べる
- 皮膚
生検 皮膚の組織の一部を採取して顕微鏡で調べる
亜急性皮膚エリテマトーデスの治療法
ステロイド 外用薬 - 外用薬で良くならない場合、飲み薬のステロイドや
免疫 抑制薬を使うこともある
- 外用薬で良くならない場合、飲み薬のステロイドや
- 紫外線に浴びることで、
症状 が出現したり悪化したりすることがわかっている- 紫外線にできるだけ当たらないよう、強い日焼け止めや長袖・長ズボンを服を身に着けることが重要
亜急性皮膚エリテマトーデスの経過と病院探しのポイント
亜急性皮膚エリテマトーデスが心配な方
亜急性皮膚エリテマトーデスでは、胸や首などに赤い皮膚のまだら模様や円状の色の変化が現れます。
ご自身の症状が亜急性皮膚エリテマトーデスでないかと心配になった時、最初に受診するのは皮膚科が良いでしょう。亜急性皮膚エリテマトーデスの診断は問診と診察、血液検査などで行います。また皮膚生検といって、患部の皮膚を少量だけ採取して顕微鏡で観察することが確実な診断のためには最も有用です。他の病気を除外するためにレントゲンやMRIなどの検査を行うこともありますが、画像検査で亜急性皮膚エリテマトーデスそのものを診断することはできません。
亜急性皮膚エリテマトーデスでお困りの方
亜急性皮膚エリテマトーデスは自己免疫疾患といって、免疫細胞(白血球)が不適切に活動してしまうことが原因の病気です。したがって治療は、この免疫細胞の働きを抑えるような内服薬になります。
患者さんによって効果的な薬が異なることや、同じ薬でもどの程度の量で効果があるかが異なることから、通院しながら少しずつ薬を調整して、その人に合った処方を探します。多くの方にとって、治療のために入院が必要となる病気ではありませんが、完治が簡単に望める病気でもなかなかないため(症状が取れたり、薬の内服が必要なくなったりすることはあります)、継続的に通院を続ける必要があります。
亜急性皮膚エリテマトーデスは、全身性エリテマトーデス(SLE)と症状が重なる疾患です。SLEの場合は膠原病科で診療をしますが、亜急性皮膚エリテマトーデスの場合には皮膚科が通院先になることも多いです。これらの病気は適切な治療を行っていても症状を抑えるのに時間がかかったり、再発を繰り返したりすることがあります。そのような時に疑問を伝えて相談できるような、信頼できる主治医を見つけることが大切です。
亜急性皮膚エリテマトーデスのタグ
亜急性皮膚エリテマトーデスに関わるからだの部位
![](https://cdn.medley.life/illustrations/55e00579f214e3a718a88352_sm.png)