とうこつきんいぶこっせつ
橈骨近位部骨折
肘の外傷により、前腕の骨である橈骨のうち、肘に近い部分に起きる骨折
4人の医師がチェック 77回の改訂 最終更新: 2022.03.16

橈骨近位部骨折の基礎知識

POINT 橈骨近位部骨折とは

橈骨は前腕にある骨の一つです。肘に近い橈骨の骨折を橈骨近位部骨折といいます。肘の痛みや腫れ、前腕の筋力低下が起こり、日常生活に支障がでます。スポーツや交通事故、転倒などで起こることが多いです。レントゲン検査やCT検査、MRI検査といった画像検査によって骨折やその周りの神経や腱の損傷の有無や程度を調べます。骨折の程度が軽ければ、保存療法(ギプスによる固定)で治療が可能ですが、骨のズレが大きい場合には手術でプレートやネジ、ワイヤーを使って固定を行います。橈骨近位端骨折の疑いがある人は整形外科を受診してください。

橈骨近位部骨折について

  • 肘の外傷により、前腕の骨である橈骨のうち、肘に近い部分に起きる骨折
  • 以下のことが原因で起こる
    • スポーツ
    • 交通事故
    • 転倒

橈骨近位部骨折の症状

  • 肘の痛み
  • 肘の腫れ
  • 肘や前腕の筋力低下
  • 関節の可動範囲の制限
  • 上記の症状に伴う日常生活に必要な動作(特に家事、洗濯物を干す、など)が障害されうる

橈骨近位部骨折の検査・診断

  • レントゲン検査:骨折の有無を調べる
  • CT検査:レントゲンではわからない、骨折の有無を調べる
  • MRI検査:骨折による周囲組織の損傷の有無や程度を調べる

橈骨近位部骨折の治療法

  • 保存療法:骨の位置を元に戻した後ギプス固定をして安静にする
    • 3~5週間固定する
    • 3~5週間の間、リハビリテーションで肘以外の関節を動かす練習をする
  • 手術
    • 固定術:プレートやネジ、ワイヤーを使って固定する
  • リハビリテーション:肘関節の働きを改善する

橈骨近位部骨折の経過と病院探しのポイント

橈骨近位部骨折が心配な方

橈骨近位部骨折は、前腕(肘と手首の間)にある二本の骨のうち、橈骨という親指側の骨に起こる骨折です。近位部というのは体に近い側という意味ですから、橈骨のうち手首寄りではなく肘寄りの部分の骨折を指します。

強く打ったりひねったりした後から肘の近くが腫れて痛みがある場合には、この橈骨近位部骨折の可能性があります。しかし似た症状を示す外傷には、他にも肘の脱臼や尺骨骨折などもありますので、ご自身でこのうちのどれかを診断するのは必ずしも容易ではありません。

ご自身の症状が橈骨近位部骨折でないかと心配になった時、まずは整形外科のクリニックや、お近くの救急外来を受診されることをお勧めします。打撲や肉離れであればクリニックで対応が可能です。実際に医療機関を受診された後は、橈骨近位部骨折の診断は診察とレントゲンで行います。場合によってはエコーやCTを補助的に使用します。橈骨近位部骨折で手術が必要そうな場合には、レントゲンやその他行われた診察、検査の結果をまとめた診療情報提供書(紹介状)とともに、手術可能な病院を紹介してくれます。

受診先として、総合病院の救急外来は相対的に待ち時間が少ないというメリットもある一方で、専門の整形外科医ではなく広く浅く診察をする救急医が初期対応に当たることになります(日中は救急外来が開いていないこともあります)。総合病院の整形外科外来は、飛び込みで受診するには患者数が多く(待ち時間が長く)、また診療情報提供書を持っていないと受診ができなかったり、追加料金が必要となったりします。

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橈骨近位部骨折でお困りの方

橈骨近位部骨折の場合、ごく軽度の骨折であれば手術をせずにギプスシーネと呼ばれる添え木のようなもので固定して治すこともあります。それを除けば原則は手術が必要です。

また橈骨近位部骨折は、診断がつき次第その場で治療が開始されますので、どこでどのような治療を受けるかを迷う余地は少ないかもしれません。手術後は、あまり安静にし過ぎているとかえって関節が固まって動かしづらくなってしまうため、痛みに耐えられる範囲で早期からリハビリテーションを開始していきます。

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