肝のう胞の治療について:ほとんどの人に治療は必要ない
肝のう胞があってもほとんどの人には症状がなく、治療の必要がありません。しかし、ごくまれに症状を生じたり治療を必要とする肝のう胞もあります。このページでは、肝のう胞の治療について説明をします。
1. 治療が必要な肝のう胞について
極めてまれですが、治療が必要な肝のう胞があります。どのような肝のう胞にどのような治療が必要なのか説明します。
症状のある巨大肝のう胞:開窓術
肝のう胞が大きくなったことで、腹痛や
細菌性肝のう胞:抗菌薬(抗生剤)の投与や膿の排出
肝のう胞に、肺炎桿菌や
多発性肝のう胞:腎臓を守る薬物治療
肝のう胞が肝臓全体に数多くある人は、腎臓にもたくさんの
2014年に、腎機能低下のスピードを抑える「トルバプタン」という
寄生虫による肝のう胞:手術や薬
エキノコックスはキツネやイヌに寄生する寄生虫です。キツネやイヌの糞がヒトの口に入ることで感染し、肝のう胞を作ります。内服薬はありますが完治させるには不十分で、開腹手術で寄生虫のいる肝のう胞をすべて取り除く必要があります。早期発見・早期治療が、エキノコックス症に打ち勝つためには必要です。
がん化のリスクがある肝のう胞:手術
肝臓にできる
MCNの治療には手術があります。手術前の画像検査などで、MCNであると確定するのは難しいため、手術後に顕微鏡の検査で確認されます。手術で完全に切除すれば再発はあまりないといわれています。
2. 肝のう胞のガイドラインはあるのか
よくある無害な肝のう胞については、治療
参考文献
・Zacherl J, et al. Long-term results after laparoscopic unroofing of solitary symptomatic congenital liver cysts. Sung Endosc,2000;14(1):59-62
・厚生労働省 難治性疾患克服研究事業, 「多発性肝嚢胞診療ガイドライン」, 2013