肝のう胞の検査について:腹部エコー検査、腹部CT・MRI検査など
肝のう胞があっても症状が現れる人はほとんどいません。このため、症状をきっかけに肝のう胞がみつかることはまれで、健康診断の
1. 肝のう胞の血液検査について
肝のう胞があっても、ほとんどの人では血液検査は異常な値になりません。しかし、肝のう胞が「感染」、「出血」、「
血算:白血球数、赤血球数、ヘモグロビン濃度など
血算は
肝機能検査:AST、ALT、γGT、ALP、総ビリルビンなど
肝機能検査(AST、ALT、γGT、ALP、総
腫瘍マーカー:CEA、CA-19-9など(がんがあると上昇する値)
血液培養検査
血液
エキノコックス抗体
エキノコックス
2. 肝のう胞の画像検査について
肝のう胞は症状を生じないことが多いので、健康診断や他の病気を診断し治療するための画像検査で見つかることがほとんどです。肝のう胞を検査する画像検査にはどのようなものがあるのかを解説します。
腹部超音波検査(腹部エコー検査)
超音波とは人間には聞こえない高い音のことです。超音波を発生するプローブとよばれる機械をお腹に押し当てて検査をします。臓器まで到達し跳ね返ってきた超音波の量を測定することで、臓器の形を白黒の画像として見ることができます。超音波検査では副作用の心配はありません。
超音波検査で見た肝のう胞に下記のような特徴がある場合は、無害な肝のう胞であると考えられるので、追加の検査は不要なことが多いです。
- 色合いが均一である
- 輪郭のゆがみが少ない
- 他の臓器を圧迫していない
一方で、内部の色合いにむらがあったり、いびつな形をしている肝のう胞は、感染や出血、
腹部CT・MRI検査
参考文献
・宮里賢, 他. : 当院で経験した感染性肝嚢胞23例の検討. 肝臓. 60(4)117-126(2019)