すてぃーぶんすじょんそんしょうこうぐん
スティーブンス・ジョンソン症候群
多形滲出性紅斑の重症型です。全身の皮膚に水ぶくれができ、口や眼などの粘膜にも症状が出たり、高熱や関節痛も同時に起こる
6人の医師がチェック 112回の改訂 最終更新: 2022.04.01

スティーブンス・ジョンソン症候群の基礎知識

POINT スティーブンス・ジョンソン症候群とは

皮膚や粘膜(目を含む)に発赤やただれ、みずぶくれが現れる病気で、発熱や倦怠感をともない、全身の皮膚以外にも気道や胃や腸の粘膜にも異常が起こります。スティーブンス・ジョンソン症候群は免疫機能の異常によって起こると考えられており、そのほとんどのきっかけは薬です。死亡することもある病気なので、疑わしい場合はただちに原因をつきとめ、原因の治療や除去をします。例えば、薬が原因であれば、原因となっている薬を中止することが重要です。激しい炎症が身体の中で起こっているので、炎症を抑えるためにステロイドで治療します。

スティーブンス・ジョンソン症候群について

  • 多形滲出性紅斑の重症型
  • 主な原因
    • 薬剤性で起こることが多い
    • 感染症でも重症化することはある
  • 全身に水ぶくれができたり、一部ただれてしまう(びらん
  • その他粘膜病変が出たり、高熱などの全身症状が強くなる
  • 皮膚のびらんがひどくなると中毒性表皮壊死症に進む
  • 人口100万人あたり年間発症頻度は3.1人で死亡率は3-10%である

スティーブンス・ジョンソン症候群の症状

  • 全身に痛みを伴う紅斑と水ぶくれができる
    • 一部は水ぶくれが破れて皮膚がただれたようになる(びらん
  • 粘膜にも病変が起こる
    • 唇や眼や外陰部など
    • 眼には結膜炎角膜炎を起こし、視力低下につながることもある
  • 高熱や強い関節痛など、皮膚、粘膜以外の全身症状も強く起こる

スティーブンス・ジョンソン症候群の検査・診断

  • 状況と症状から診断する

スティーブンス・ジョンソン症候群の治療法

  • 薬剤性の場合がほとんどであり、原因と疑われる薬剤の使用をいち早く止める
    • 補液・栄養管理による全身管理
      • 皮膚がただれたり熱があると思った以上に水分が失われるので、脱水には注意が必要
    • 進行する炎症反応の抑制
      • ステロイドパルス療法を行う
      • アフェレーシス:炎症に関与する物質を取り除く
    • 皮膚・粘膜からの感染予防
      • 感染を疑う症状(発赤疼痛)が出現した場合は、細菌培養を行って抗菌薬の投与開始する
    • 厳重な眼科的管理
      • 目の粘膜がどの程度冒されているのかをこまめに確認する

スティーブンス・ジョンソン症候群が含まれる病気

スティーブンス・ジョンソン症候群のタグ

スティーブンス・ジョンソン症候群に関わるからだの部位