ほうかしきえん(ほうそうえん)
蜂窩織炎(蜂巣炎)
皮膚の下の蜂窩織と呼ばれる部位(皮膚の表面を除いた部分で真皮から脂肪織の間)が細菌に感染し、炎症を起こす病気
9人の医師がチェック 189回の改訂 最終更新: 2022.05.31

Beta 蜂窩織炎(蜂巣炎)についての医師コメント

50代女性、ある日発熱があり、家で様子を見ていたが会話のつじつまがあわないなど普段とは様子が違うため救急外来を受診した。来院時熱は38度を越えていたが、明らかな症状はなかった。外陰部の癌で放射線をあてたことがあるとの病歴を家族から聴取し、外陰部をみたところ赤く腫れており、熱感もみられたため、感染源であると判断した。壊死性筋膜炎の可能性を考え、皮膚科医師を呼び出して診察を依頼したところ、蜂窩織炎の可能性が高く抗生物質を点滴で投与して様子を見ていてよいのでは、ということであった。状態が悪くなればすぐに外科的処置を行えるよう手配し、抗生物質の投与を開始した。1日経過したところで解熱し、意識状態は改善した。おそらく放射線治療により皮膚のバリアが弱くなり感染に弱くなったために蜂窩織炎になりやすかったのではないかと考えた。


匿名協力医師
実際の治療例
2015.04.29

蜂窩織炎の診療の際に非常に重要なことは、壊死性筋膜円の可能性を常に考えることです。壊死性筋膜炎では、最初の症状は蜂窩織炎と非常によく似ていますが、急速に進行し全身状態もどんどん悪くなっていき、死亡することもある非常に重篤な疾患です。多くの場合、糖尿病やC型肝炎などの基礎疾患があります。
この二つを区別することは非常に難しく、医者でも判断に困ることもあります。蜂窩織炎の症状(皮膚が赤く腫れ、押すと痛みがあり、腫れている部位が熱い)があり、それに全身症状(発熱、悪寒など)を伴っている場合には、すぐに病院にかかることをお勧めします。
蜂窩織炎であれば治療は抗生物質の投与(軽症であれば内服、重症であれば入院して点滴)が必要ですが、外科的処置は必要ないことが多いです。


匿名協力医師
患者さんへのメッセージ
2015.04.29