しょくどうあからしあ
食道アカラシア
食道から胃の入り口にかけての筋肉が不適切に締まってしまうことにより、食物や唾液の渋滞が起きて、食道が拡がってしまう病気
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最終更新: 2023.06.13
食道アカラシアの基礎知識
POINT 食道アカラシアとは
食道アカラシアは食道の一部が非常に狭くなる病気です。食物や唾液の渋滞が起きて狭い部位より口側の食道が大きく拡張します。主な症状はゲップ・胸焼け・吐き気・背中の痛みなどです。 症状や身体診察に加えて、画像検査・造影検査・上部消化管内視鏡検査などで診断します。根治するための治療は手術や内視鏡治療を行います。食道アカラシアが心配な人や治療したい人は、消化器内科や消化器外科を受診して下さい。
食道アカラシアについて
- 食道から胃の入り口にかけての筋肉が不適切に締まってしまうことにより、食物や唾液の渋滞が起きて狭い部位より口側の食道が広がってしまう病気
- 日本人よりも欧米人に多い
- 食習慣の違いが原因に関わっているのではないかと推測されている
- 食道の拡張形状によって、紡錘型・フラスコ型・S字型に分けられる
- 20代から60代に多く見られるが
発症 年齢は幅広く、頻度は人口10万人に1人程度と比較的まれ - アカラシア患者の食道がんの発生率は高いと考えられている
食道アカラシアの症状
- げっぷ
- 胸焼け
- 胸のつかえ
- 吐き気:ただし食事をしていない時間帯には吐き気がない
- 嘔吐:食べた後に食物がそのまま出てくる
- 背中の痛み
- 冷たい流動物やストレスで飲み込みの障害が増悪する
食道アカラシアの検査・診断
上部消化管内視鏡検査 (胃カメラ ):食道の状態を調べる- 食道の見た目がどうなっているのかを確認する
- おかしな部位を見つければ、その部位の組織を採取して顕微鏡で調べる
胸部レントゲン 検査:食道に液体が溜まっているかを調べる上部消化管造影検査 :食道の形や動きを詳しく調べる- 診断確定に役立つ
胸部CT検査 :食道の状態を調べる- 食道内圧測定:食道の状態を調べる
食道アカラシアの治療法
- 主な治療
- バルーン拡張術
上部消化管内視鏡 (胃カメラ )を口から入れて狭い部分の内側から風船を広げる方法
- 薬物療法
- カルシウム拮抗薬
- 血管拡張薬 など
- 外科的療法(ヘラー・ドール術)
- バルーン拡張術
- 予防、再発予防方法
- 原因が不明なため、予防は難しいが、
症状 を悪化させないように予防することはできる- 基本は食道を圧迫しないこと
- 食事は早食いを避けてゆっくり噛み砕いてから食べる
- 食べてからすぐ寝ない
- 極端に前かがみにならない
- 原因が不明なため、予防は難しいが、