びまんせいのうしゅちょう(のうふしゅ)
びまん性脳腫脹(脳浮腫)
脳血管のうっ血や炎症により脳が全体的に腫れた状態
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最終更新: 2022.02.08
びまん性脳腫脹(脳浮腫)の基礎知識
POINT びまん性脳腫脹(脳浮腫)とは
脳が全体的に腫れた状態のことです。びまん性脳腫脹は脳が腫れて大きくなることで頭の中の圧力が高くなり、頭痛や吐き気、意識障害などの症状が現れます。脳梗塞や脳出血、脳腫瘍、頭の外傷などさまざまな原因で起こります。びまん性脳腫脹が疑われる場合は、画像検査(CT検査やMRI検査など)を用いて脳の腫れ具合が調べられます。軽症な場合は経過観察することもできますが、脳の腫れが強い場合は薬(マンにトールやグリセオール)で腫れを抑えます。腫れが著しい場合には、手術で頭の骨を外して、圧力を外に逃がします。これを外減圧といいます。脳にダメージを負う病気の後にはびまん性脳腫脹に気を付ける必要があるので、脳外科医は治療の経過中に診察や検査を繰り返し行います。
びまん性脳腫脹(脳浮腫)について
- 脳血管のうっ血や炎症により脳が全体的に腫れた状態
- 脳の大きさが増し、頭蓋骨の内側の圧が高くなる
- 脳出血、脳梗塞、頭部外傷、脳腫瘍、感染が原因で、脳が傷ついたときに起こりやすい
- 乳幼児から中学生に特に多くみられるが、年齢を問わない
- 成人では脳挫傷(脳の損傷)を伴っている場合が多い
- 重症の脳浮腫をそのままにしていると脳ヘルニアという致死的な状況になりうる
- 浮腫によって頭の中の圧力(頭蓋内圧)が上昇する
- 頭蓋内圧が上昇すると、頭の中の血流が減ってしまう
- 頭の中の血流が減ってしまうと、頭の細胞が酸素をもらえなくて酸欠状態になる
- 頭の細胞が酸欠になるとますます浮腫みが増えてしまうといった悪影響におちいる
- 非常に強い脳浮腫によって頭の重要な部位のいちが変化して圧迫を受けることを脳ヘルニアと言い、脳幹という重要な部位が圧迫を受けると致死的な状況になる
びまん性脳腫脹(脳浮腫)の症状
- 主な症状
- 頭痛
- 吐き気、嘔吐
- 血圧の上昇
- 脈拍数の変動(上昇する場合と低下する場合がある)
- 意識障害
- けいれん発作
- 頭を打った後、数分から数時間以内に嘔吐や頭痛といった頭蓋内圧亢進症状が現れる
- 脳挫傷を伴う場合は、頭を打った直後から意識が悪くなってしまう
びまん性脳腫脹(脳浮腫)の検査・診断
びまん性脳腫脹(脳浮腫)の治療法
- 軽症のものであれば経過観察だけで回復する
- 意識障害がある場合、即座に入院して厳重な治療が必要
- 脳の損傷を伴う場合、損傷の程度によって後遺症や生命の危険がある
- 主な治療
- 根本的な治療ではなく、対症療法である
- 薬物療法
- 頭蓋骨の内側の圧を下げるために、グリセオールやマンニトールといった脳圧降下薬の点滴を行う
- 外科的治療
- 脳の圧力が高まりすぎた場合は、頭蓋骨を外して圧力が高まり過ぎないようにする(「外減圧」と言う手術)
- 根本的な治療ではなく、対症療法である
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