低血糖の症状(低血糖発作)について:眠気や頭痛、めまい、吐き気など
低血糖の症状は程度によってさまざまで、初期のときと進行したときで違いがあります。低血糖になった時にすみやかに対処できるように、このページで説明する症状をよく理解してください。
目次
1. 初期の低血糖の症状について:手足の震え・吐き気など
低血糖の初期のときには次のような症状が現れます。
- 冷汗をかく
- 手足が震える・しびれる
- 吐き気がする・嘔吐する
動悸 がする、脈が早くなる- 空腹感がする
血液中の
2. 進行した低血糖の症状について:めまい、頭痛、眠気、昏睡など
血糖値がさらに低下すると、次のような症状が現れます。
- めまいがする
- 頭痛がする
- 眠気がする
- あくびがでる
- イライラする
- つじつまのあわないことを言う
初期に現れる症状が自律神経の反応によるものであるのに対して、進行したときの症状は糖分の不足で脳の機能が低下することによると考えられています。脳はブドウ糖しかエネルギーとして使うことができないために、糖分の不足の影響を受けやすく、症状として現れやすいです。軽症のときと同様に、この時点でも症状に気づいて、糖分を上手く摂取すれば、低血糖の状態から回復して症状を落ち着けることができます。
3. さらに進行した低血糖の症状について:昏睡、痙攣など
脳への影響が出はじめてから、より血糖値の低下が進んで、重い低血糖になると、脳の機能がさらに低下して、次の症状が現れます。
- 意識を失う(
昏睡 ) - 痙攣が起こる
これらの症状は危険なサインです。意識がない状態や痙攣した状態が続くと、後遺症が残ることがあるので、すみやかに血糖値を上げ低血糖の状態から脱しなければなりません。しかし、意識がない人や痙攣している人は口から糖分をとることが難しく、十分な糖分を送り込むには点滴が必要です。すみやかに医療機関を受診してください。
なお、意識がない人や痙攣をしている人に無理に口から糖分を含ませようとすると誤嚥(
4. 低血糖発作を繰り返しているとだんだん症状に気づきにくくなる:無自覚性低血糖
低血糖の進行にともなって、手や足の震えや冷や汗といったの「警告症状」から徐々に症状が強くなっていく人がいる一方で、突然意識を失ったり、痙攣が起こる人がいます。
警告症状を経ずに、急に
「低血糖の予防」を参考にして、低血糖発作が起こらないように工夫してみてください。
【参考文献】
「ハリソン内科学 第5版」(福井次矢、 黒川 清 /監修)、MEDSi、2017
「ワシントンマニュアル 第13版」(髙久史麿、和田 攻/監訳)、MEDSi、2015