ふぉんゔぃれぶらんどびょう
フォンヴィレブランド病(フォンウィルブランド病)
生まれつき出血しやすくなる遺伝性の病気
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最終更新: 2020.05.31
フォンヴィレブランド病(フォンウィルブランド病)の基礎知識
POINT フォンヴィレブランド病(フォンウィルブランド病)とは
von Willebrand病(VWD: フォンヴィレブランド病)は血液に含まれるフォンヴィレブランド因子(VWF)が生まれつき不足している、あるいは機能が低下する病気です。VWFは血管の傷ついたところで血栓をつくって止血する役割があるので、VWDでは出血が止まりにくくなります。具体的な症状としては、鼻血が止まらない、青あざができやすい、生理の量が多い、歯茎から血が出やすい、などが見られます。診断は家族歴の聴取や、採血検査で行います。現時点では遺伝子治療などの根本的な治療は存在せず、出血時もしくは予防的な止血療法が治療の中心となります。VWFの放出を促す点滴や、成分輸血が検討されます。VWDが心配な方や治療したい方は小児科や血液内科を受診してください。
フォンヴィレブランド病(フォンウィルブランド病)について
- 血友病の次に多い、生まれつき出血しやすくなる病気
- 血友病とは異なり、男女ともに見られる病気
- 出血が止まるためには、傷ついている血管の壁に、
血小板 がくっつくことが必要- 血小板が血管の壁にくっつくために必要な、von Willebrand factor(VWF: フォンヴィレブランド因子)という物質が足りない、あるいは機能に異常がある病気
- 基本的には遺伝性
常染色体優性遺伝 という形式で子孫に遺伝する- ただし、病気のうち約30%は突然変異で
発症 する - そのため兄弟や両親、祖父母などにvon Willebrand disease(VWD: フォンヴィレブランド病)患者や保因者がいないのに発症することがある
- 日本で約1,000人の患者が登録されているが、実際には未診断の患者は多いと推測されている
フォンヴィレブランド病(フォンウィルブランド病)の症状
フォンヴィレブランド病(フォンウィルブランド病)の検査・診断
- 血液検査
- 出血が起きやすい原因を確認する
血小板 の形態を確認する- VWDの中でも更に細かい分類があるので、どれに当てはまるかを確定する
フォンヴィレブランド病(フォンウィルブランド病)の治療法
- 多くの場合、特別な治療は必要ない
- 抜歯や外科手術時など、出血を伴う処置の際には注意を要する
- 場合によっては、VWFを増やすような治療を行う
- デスモプレシンは血管の壁の細胞からVWFを放出させる
- 重症なタイプのVWDでは、VWFを含んだ成分輸血を行う場合もある
- 2020年からVWF製剤ボンベンディ®(一般名:ボニコグ アルファ)が使用できるようになった
- 女性では月経に伴い貧血になることもあるので、程度に応じて鉄剤の内服や、
経口避妊薬 を使用する