こうさんきゅうせいたはつけっかんえんせいにくげしゅしょう(ちゃーぐすとらうすしょうこうぐん)
好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(チャーグストラウス症候群)
好酸球という白血球の一種が全身の血管を攻撃することで起こる病気。喘息との強い関連が示唆されている
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最終更新: 2019.07.24
好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(チャーグストラウス症候群)の基礎知識
POINT 好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(チャーグストラウス症候群)とは
好酸球という白血球の一種が全身の血管を攻撃する病気です。喘息との強い関連が示唆されています。症状としては発熱、寝汗、皮膚のあざ、喘息、息苦しさ、しびれや手足が動かせなくなるなどがあります。血液検査でANCAというこの病気と関連が知られる抗体の検査や好酸球値を確認します。その他、尿検査、生検検査(腎臓や皮膚の組織の一部を採取して顕微鏡で調べる)、レントゲン検査、神経伝導検査なども行います。ステロイド薬、免疫抑制薬、生物学的製剤、免疫グロブリン大量静注療法による治療を行います。気になる方はリウマチ内科、膠原病内科を受診してください。
好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(チャーグストラウス症候群)について
- 好酸球という白血球の一種が全身の血管を攻撃することで起こる病気
- 従来はアレルギー性肉芽腫性血管炎やチャーグ・ストラウス症候群と呼ばれてきたが、近年では好酸球性多発血管炎性肉芽腫症と言われるようなった
- 破壊された血管のまわりには「肉芽種」と呼ばれる白血球が集まった所見が確認される
- 30歳から60歳で発症することが多い
- 日本における年間の新規患者数は約100名
- 男女比は1:1.7で女性にやや多い
- 国の指定難病に認定されている
好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(チャーグストラウス症候群)の症状
好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(チャーグストラウス症候群)の検査・診断
- 血液検査
- アレルギーが起きているか、特徴的な抗体(P-ANCA)がないかなどを調べる
- 同時に似たような症状を起こす他の病気でないかなどを調べる
- 生検検査:炎症を起こした組織を採取して、特徴的な所見がないかを顕微鏡で調べる
- その他、症状などに応じて全身の検査を行う
- 胸部レントゲン(X線写真)検査
- 胸部CT検査
- 神経伝導検査:神経を皮膚から電気で刺激し、神経を信号が伝わる速さや刺激した時にでる波の大きさを調べる検査
- 以下のような似た病気でないことを確認することも大切である
好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(チャーグストラウス症候群)の治療法
- 軽症、中等度症例は、ステロイド薬で炎症を抑える
- 重症例では、ステロイド薬に加えて免疫抑制薬や生物学的製剤で治療を行う
- 免疫抑制薬
- アザチオプリン(商品名イムランなど)
- メトトレキサート(商品名リウマトレックスなど)
- シクロフォスファミド(商品名エンドキサン)
- 生物学的製剤
- メポリズマブ(商品名ヌーカラ)
- 免疫抑制薬
- 神経炎は感覚や運動において後遺症を残すことが多い
- 運動障害があれば歩行をサポートする装具などが必要になることがある
- リハビリテーションを行い、運動機能の回復に努める
- 神経炎に対する免疫グロブリン大量静注療法も有効
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