あるこーるいぞんしょう
アルコール依存症
アルコール(お酒)を飲まないではいられない状態
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最終更新: 2020.12.18
アルコール依存症の基礎知識
POINT アルコール依存症とは
お酒を飲まないではいられない状態のことです。禁酒をすると、手が震える、汗をかく、動悸がするなどの離脱症状が現れます。問診(CAGEテスト)や血液検査などから、診断が行われます。アルコール依存症治療の最終的な目標はお酒をやめることです。本人と家族が協力して治療をする必要があります。具体的には、精神療法や心理教育、集団活動プログラム、認知行動療法などが行われます。アルコール依存症の治療をしたい人は精神科を受診してください。
アルコール依存症について
- お酒を飲み続けないではいられない状態
- お酒を飲むのをやめると、身体的な離脱症状が出現する
- 自分の意志で飲酒を止められない
- 飲酒による害が現れているのに飲み続けている
- 日本国内では、100万人以上の患者がいると言われている
- 男性の1.9%、女性の0.2%がアルコール依存症であると考えられている
アルコール依存症の症状
アルコール依存症の検査・診断
問診 :飲酒の量と回数などを確認する- 特徴的だと言われている状態(CAGEテスト)
- お酒を控えなければいけないと自覚がある
- 人から飲酒のことを指摘されるといらいらする
- お酒を飲むことに罪悪感を感じている
- 朝起きてすぐにお酒を飲む
- アルコール依存症診断のための採点方式などがある
- 特徴的だと言われている状態(CAGEテスト)
- 血液検査:内臓(肝臓、膵臓など)が障害されていないかなどを調べる
アルコール依存症の治療法
- 治療の最終目的はお酒をやめること
- お酒の量を減らすことから始める場合もあるが、少しでも飲むと量をコントロールできない場合も多い
- 飲酒をやめることで身体への害を減らし生活を取り戻すことが目標である
- 入院治療が必要と考えられる場合もある
- 治療には本人と家族がきちんと治療の目的と流れを理解することが重要
- 断酒をすると離脱症状が出るが、数週間ほどで症状がおさまると言われている
- 治療方法
- 精神療法:断酒や節酒への動機付けの意思のサポートを受ける
- 心理教育:飲酒やその影響に対する理解を深める
- 集団活動プログラム:創作活動やレクリエーション活動に参加し、日常生活への復帰を目指す
認知行動療法 :患者さん自身のお酒に対する認知を改善し、適切な飲酒行動を取れるように促す療法- 自助グループ(総合援助グループ):お酒をやめたいと思う者が集い、体験談を話すことで、助け合って断酒の継続を目指す
- その他治療方法
- 必要に応じて薬を使うこともある
- ベンゾジアゼピン系
抗不安薬 (離脱症状を抑える) - 抗酒薬(お酒を飲むと気持ち悪くなる薬):副作用が出ることがあるので使用の際に要注意
- 断酒補助剤(お酒を飲みたい気持ちを抑える)
- ベンゾジアゼピン系
- 必要に応じて薬を使うこともある
アルコール依存症に関連する治療薬
嫌酒薬(アルコール依存症治療薬)
- 体内でアセトアルデヒド濃度を高めることで少量の飲酒でも悪酔いを引き起こしアルコールに対する嫌悪感などを与え飲酒欲求を抑える薬
- アルコール依存症では飲酒を止めると精神にも肉体にも離脱症状があらわれる
- アルコールは体内でアセトアルデヒドに分解されて毒性(悪酔い)をあらわす
- 本剤はアセトアルデヒドの分解酵素を阻害し、あえてアセトアルデヒド濃度を高める作用をあらわす
断酒補助剤(アルコール依存症治療薬)
- 脳の興奮系の神経の活動を抑えることでアルコール依存症による飲酒欲求を抑える薬
- アルコール依存症では飲酒を止めると精神にも肉体にも離脱症状があらわれる
- アルコール依存症では中枢神経系の興奮性神経であるグルタミン酸作動神経の活動が亢進している
- 本剤はグルタミン酸作動神経の活動を抑える作用をあらわす
飲酒量低減薬(アルコール依存症治療薬)
- アルコール依存症の進展に関わる体内のオピオイド受容体への作用によって飲酒量の低減作用をあらわす薬
- アルコール依存症では、飲酒によって得られる快を求めたり飲酒を繰り返すことで増す不快を避けるためにさらに飲酒をすることで進展していく
- アルコール依存症の進展には体内のオピオイドと呼ばれる物質が関わっているとされる
- 本剤はオピオイド受容体への作用によってこの受容体を介したシグナル伝達を調節する
- 本剤は飲酒量を減らしていく過程を補助する薬
アルコール依存症のタグ
アルコール依存症に関わるからだの部位


