ギラン・バレー症候群の疑問や悩みについて
ギラン・バレー症候群はよく知られた病気ではありません。そのため、自分や家族がギラン・バレー症候群であるとわかった時には疑問や悩みを抱えやすいとよく耳にします。ここではよく聞かれる疑問や悩みをとりあげて説明します。
1. ギラン・バレー症候群の疑問について
ギラン・バレー症候群のように耳に馴染みのない病気では、その実態があまり知られていません。ここでは患者さんがよく疑問に思っていることを取り上げて説明していきます。
ギラン・バレー症候群は難病なのか
ギラン・バレー症候群は厚生労働省の難治性疾患克服事業の対象であり、難病の1つに数えられます。また、難病の一般的なイメージは「治りにくい病気」です。確かにギラン・バレー症候群になった人の中には生命に危険が及んだり、症状が長く残ったりする人がいます。一方で、大半の人が病気の前の状態とほとんど変わらない状態まで
ギラン・バレー症候群は遺伝するのか
ギラン・バレー症候群の
血のつながった人がギラン・バレー症候群を発病したからといって、「自分もギラン・バレー症候群になってしまうのでは」と過度に心配になることはありません。
ギラン・バレー症候群は子どもでもなることがあるのか
ギラン・バレー症候群はどの年代の人にも起こり得る病気です。大人に比べると少ないですが、子どもにもギラン・バレー症候群が起こることがあります。年代別の発症人数については「ギラン・バレー症候群とは?」を参考にしてください。
ギラン・バレー症候群はうつる病気なのか
ギラン・バレー 症候群は
ギラン・バレー症候群は予防することができるのか
ギラン・バレー症候群の予防は確立したものはありませんが、ここではギラン・バレー 症候群になるべくならないようにするための方法を考えてみます。
ギラン・バレー症候群の大半は感染症をきっかけにして発症します(「ギラン・バレー症候群とは?」を参考)。このため感染症にならないようにすることは間接的ですが、ギラン・バレー症候群の予防にはつながる可能性があります。具体的には手洗いやうがいといった基本的な感染予防が対策になります。また、ギラン・バレー症候群の発病と関係があるとされるカンピロバクター(Campylobacter)は生の鶏肉から感染することが知られています。生の鶏肉を調理する際には、「触った後はよく手を洗う」「調理器具をよく洗浄する」「十分に加熱する」といった対策が予防につながると考えられています。
2. ギラン・バレー症候群の治療やその後に関する悩み
軽症の場合を除いて、ギラン・バレー 症候群には治療が必要になります。あまり馴染みのない病気だからか治療にまつわることに悩みが生まれやすいです。ここでは治療やその後に関する悩みについてまとめました。なお、治療の詳しい内容については、「ギラン・バレー 症候群の治療」を参考にしてください。
ギラン・バレー症候群は何科で治療するのか
ギラン・バレー症候群は神経内科で治療されることが多く、神経内科がない医療機関では一般内科で治療が行われます。
また、血液浄化療法といったギラン・バレー症候群の治療を行うにはある程度の設備が必要になるので、整った設備をもつ医療機関に移って検査や治療をすることがあります。
ギラン・バレー症候群は薬で治療できるのか
ギラン・バレー症候群の治療は「
免疫グロブリン製剤は血液製剤というヒトの血液から作られた薬で、ギラン・バレー症候群はこの薬で治療が可能です。
なお、以前は
ギラン・バレー症候群は治るのか
ギラン・バレー症候群のほとんどの人は
ギラン・バレー症候群は再発することはあるのか
ギラン・バレー症候群のは再発(再燃)率は少ないと考えられていて、2-5%程度と言われています。再発を繰り返す場合は、ギラン・バレー症候群と症状がよく似ていて再発を繰り返す慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー(CIDP)という病気が起こっていないかが調べられます。慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチーについては「慢性炎脱髄性多発ニューロパチーの基礎情報」を参考にしてください。
【参考文献】
・ギラン・バレー症候群、フィッシャー症候群診療ガイドライン2013
・「神経内科ハンドブック」(水野美邦/編集)、医学書院、2016