かんどうみゃくぞうえいけんさ(しーえーじー)
冠動脈造影検査(CAG)
1人の医師がチェック 1回の改訂 最終更新: 2025.09.24

検査部位

心臓

対象疾患

虚血性心疾患狭心症心筋梗塞

概要

冠動脈造影検査(CAG)とは、心臓カテーテル検査の一つであり、冠動脈の状態を調べる検査です。冠動脈と呼ばれる心臓を栄養する血管にカテーテルを入れ造影剤という薬を注入することで、冠動脈の形を調べることができます。この検査は虚血性心疾患狭心症心筋梗塞)と診断した直後に治療まで行うことができます(経皮的冠動脈形成術:PCI)。リスクとしてカテーテルを挿入する際の血管損傷や、カテーテルの位置確認のために使われるX線や造影剤による被ばく、造影剤のアレルギーなどがあります。検査は基本的に入院で行われます。

メリット

  • 虚血性心疾患狭心症心筋梗塞)の原因となる冠動脈の狭窄・閉塞部位とその程度、側副血行路(血液が詰まっているときにできる別の血液の通り道)など、冠動脈の血行動態が詳しくわかる
  • 虚血性心疾患の診断や、それぞれの患者の病態に適した治療法を決定するのに有用である
  • 心臓カテーテル検査により虚血性心疾患の診断をした直後に治療も行うことができる(後述:経皮的冠動脈形成術(PCI)について)

デメリット

  • 侵襲的検査(体内に器具を入れて行う検査)であるため、危険を伴うことがある。重篤な状態になることは極めてまれであるが、考えられるデメリットとして以下が挙げられる
    • 血管損傷
    • 血栓塞栓症(心臓、脳などで血栓が血管に詰まる)の合併
    • 出血(心臓、脳など)の合併
    • 心タンポナーデ(心臓と外側の心膜の間に液体が多く溜まる)の合併
    • 造影剤の副作用(吐気、嘔吐、食欲低下、発疹など)
    • 麻酔に対するアレルギーのリスク
    • カテーテルの位置確認のため、X線や造影剤を用いるので、被ばくや造影剤のアレルギーのリスク

詳細

冠動脈造影検査(CAG)とは、心臓カテーテル検査の一つであり、冠動脈の状態を調べる検査です。心臓カテーテル検査はカテーテルと呼ばれる細い管を手足の血管から挿入して行われます。冠動脈造影検査ではまず冠動脈と呼ばれる心臓を栄養する血管にカテーテルを入れます。その状態で造影剤と呼ばれるX線を通しにくい薬を冠動脈に注入し、X線を当てることで冠動脈の形を調べることができます。これにより冠動脈に細いところがあれば、見つけることができます。検査の所要時間は30分程度です。

検査の流れ

  1. カテーテルを挿入する場所に局所麻酔をする
  2. 大腿動脈(足の付け根)、上腕動脈(肘の内側)、橈骨動脈(手首)などから血流とは逆方向に冠動脈までカテーテルが挿入される
  3. カテーテルから造影剤が注入される
  4. X線で冠動脈を撮影し、冠動脈の様子を調べる
  5. カテーテルが取り出される

検査を受ける際の注意点

  • 検査中の心拍数や血圧を測定するために心電図を取りながら行います。
  • 局所麻酔の際に針を刺す痛みを少し感じることがありますが、その他に強い痛みを感じることはありません。
  • 検査直前の食事は避けるか、軽めにしてください。
  • 造影剤を早く排泄するために、検査後は多く水分を摂るようにしてください。
  • 検査後は数時間安静にして、止血のためにカテーテルを挿入した場所の圧迫固定をする必要があります。
  • 過去にアレルギーを起こしたことがある場合(特に麻酔や造影剤によるものの場合は注意が必要)は医師に伝えるようにしてください。

検査でわかること

虚血性心疾患狭心症心筋梗塞)とは、心臓の筋肉に栄養を送る動脈である冠動脈が狭窄・閉塞することによって、心臓に血液が行き届かなくなってしまう病気です。虚血性心疾患では、冠動脈造影検査をすると、冠動脈が狭窄・閉塞している部位・程度や、側副血行路という血液が詰まっているときにできる別の血液の通り道が存在しているのがわかります。このような冠動脈の情報は、虚血性心疾患の診断や、それぞれの患者の病態に適した治療法を決定するのに役立ちます。

経皮的冠動脈形成術(PCI)について

経皮的冠動脈形成術(PCI)は心臓カテーテル検査による虚血性心疾患狭心症心筋梗塞)の治療法です。治療の所要時間は30分から2時間程度、入院は2泊3日程度です。

治療の流れ

  1. カテーテルを挿入する場所に局所麻酔をする
  2. 大腿動脈(足の付け根)、上腕動脈(肘の内側)、橈骨動脈(手首)などから血流とは逆方向に、カテーテル検査で見つかった冠動脈の狭窄・閉塞部位まで、先端にバルーン(風船)のついたカテーテルが挿入され、バルーンが血管内で拡張する
  3. 拡張した部分にステントと呼ばれる筒状の金属が挿入される
  4. ステントを血管に残したまま、バルーンのついたカテーテルが取り出される

※ステントを留置することなく、バルーンのみで冠動脈の狭窄・閉塞部位を広げる治療法もあります。しかし、ステントを用いたほうが再狭窄(再び冠動脈が狭くなる)が起きにくいため、経皮的冠動脈形成術ではステントを留置することが多いです。特に、薬剤溶出性ステントといって、再狭窄を起こしにくくする薬が塗られているステントも開発されており、治療の成績は向上してきています。

治療を受ける際の注意点

  • 治療中の心拍数や血圧を測定するために心電図を取りながら行います。
  • 局所麻酔の際に針を刺す痛みを少し感じることがありますが、その他に強い痛みを感じることはありません。
  • 治療直前の食事は避けるか、軽めにしてください。
  • 治療後は数時間安静にし、止血のためにカテーテルを挿入した場所の圧迫固定をする必要があります。
  • 体内にステントが残されているからといって、生活に支障が出ることはありません。
  • ステント表面に血の塊が形成されるのを防ぐため、ステント留置後しばらくは抗血小板薬という血を固まりにくくする薬が長期間にわたって処方されます。医師の指示に従って服用して下さい。
  • 虚血性心疾患は食生活の改善が効果的なので、手術後には発症防止のために減塩などの食事指導があります。
  • 過去にアレルギーを起こしたことがある場合(特に麻酔や造影剤によるものの場合は注意が必要)は医師に伝えるようにしてください。
  • 治療は基本的に入院で行われます。