鼻血が出る

鼻血が出るの基礎知識

概要

鼻をほじるなどして粘膜が傷つき出血することが多いです。鼻かみ、くしゃみ、咳なども原因になります。通常は鼻を両側から10-20分ほど指で圧迫していれば止血できます。

しかし、薬や病気の影響で血が止まりにくい人、鼻の奥に腫瘍がある人などは自分で止血できないこともあります。

鼻血を繰り返す人、自分で止血できない人は耳鼻科を受診してください。大病院ではなく近隣医療機関で構いません。夜間休日は近隣の救急外来に問い合わせて対応を確認してください。血液がサラサラになる薬を処方されていたり、血液の病気がある人などは、まずかかりつけ医に相談してください。

原因とメカニズム

鼻血がでる原因としては以下のようなものがあります。

・機械的な刺激(触る、打撲
炎症アレルギーかぜ
・腫瘍
・出血しやすくなる病気(血小板減少症、血友病、肝臓疾患など)
・血液を固まりにくくする薬の使用

多くの場合は機械的な刺激や炎症による鼻血です。鼻の中の前の方にあるキーゼルバッハ部位という箇所からの出血がほとんどで、この部位からの出血は静脈から血が出ていることが多いです。静脈は動脈よりも血圧が低く、またキーゼルバッハ部位は外から指でしっかりと押さえられるため、自身での止血が容易です。

一方で、鼻の奥の方から出血する場合には動脈からの出血が多く、自身で止血することが難しいです。

考えられる病気

メカニズムと被りますが、鼻血の原因として考えられる病気・状態には以下のようなものがあります。

機械的な刺激や炎症

鼻血の多くは、鼻ほじりや鼻炎などによる鼻粘膜の損傷、炎症によるものです。

血液を固まりにくくする薬の使用

心筋梗塞脳梗塞心房細動といった病気がある人では、血栓ができないように血液をサラサラにする薬を処方されていることがあります。そうした薬を飲んでいる人は鼻血が止まりにくくなります。

怖い病気

簡単にすぐに止まらず、繰り返す鼻血がある人では、以下のような病気の可能性もあります。

腫瘍

なかなか止まらない鼻血や、繰り返す鼻血がある人では、鼻の奥に腫瘍があってそこから出血している可能性もあります。

出血しやすくなる病気

出血を止めてくれる血液中の成分である血小板や凝固因子に異常のある人は、鼻血がなかなか止まりません。また、鼻血が出やすくなります。血小板減少症、白血病血友病肝硬変などが挙げられます。

受診の目安

基本的にまずは自身や家族などでの止血を試みてください。 15-20分以上、本ページ末尾のセルフケアを試みても止血できなければ受診を検討してください。

診療科

鼻血についての診療を主に行うのは耳鼻科です。しかし、夜間休日に耳鼻科が対応できることは多くありません。

耳鼻科

鼻血の診療に精通しています。空いているのであれば、まずは耳鼻科を受診してください。鼻血の初期治療はほとんどの耳鼻科で可能であり、大病院や総合病院を受診する必要はありません。いきなり大きな病院を受診しようとすると、紹介状や割り増し受診料が必要になったり、待ち時間が長くなるため通常お勧めできません。

救急科

夜間休日に空いている耳鼻科は多くないため、時間外の受診は救急外来になることもあるかもしれません。全ての救急外来が鼻血に対応可能とは限らないため、受診前に問い合わせておくのがよいです。

その他のかかりつけ医療機関

何らかの重大な病気でかかりつけの医療機関がある人は、まずそちらに問い合わせてみてください。出血しやすさや地域の医療事情などに応じて、適切な対応を指示してくれることが期待できます。

検査

鼻血に関連した検査には、次のようなものがあります。

血液検査

出血が止まりにくくなる病気の有無や、貧血があるかなどを調べることができます。

ファイバースコープ検査

鼻の中の出血源や、腫瘍の有無を観察することができます。

CT検査、MRI検査

腫瘍が疑われる人などで、鼻やその周囲の副鼻腔を詳しく調べることができます。

治療

まずは自身で止血を試みてください。その際は、下記のセルフケアを参照してください。それでも15-20分以上にわたって止血できる様子が見られなければ、医療機関の受診を検討してください。医療機関では再度の圧迫止血、出血点の焼却止血、止血薬入りのガーゼを詰めて圧迫止血などが行われます。手術が行われることもありますがまれです。

セルフケア

椅子に腰を掛けさせ、顎を下げて顔をうつむかせて小鼻を15-20分圧迫してください。その際に、途中で止まったか確認のため何度も圧迫を緩めてしまうと、繰り返し出血してなかなか止まりません。

間違った治療法

・鼻の上部の骨の硬いところを圧迫する
・首筋をとんとんとたたく
・詰め込んだティッシュペーパーを何度も取り替える
・仰向けに寝る

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