2017.02.23 | ニュース

筋肉注射の痛みを軽くすることはできるのか?学生123人で実験

トルコから、注射手技の研究

from Journal of clinical nursing

筋肉注射の痛みを軽くすることはできるのか?学生123人で実験の写真

注射が痛くても我慢できますか?医師や看護師はなるべく痛くしないように努力しています。刺し方を工夫する効果を調べた研究から、痛みが軽くなったという結果が報告されました。

トルコの研究班が、注射する場所を直前に10秒指で押さえるという方法で、注射の痛みが軽くなるかどうかを実験し、結果を専門誌『Journal of Clinical Nursing』に報告しました。

実験には123人の大学1年生が参加しました。学生たちはA型肝炎とB型肝炎の予防接種を筋肉注射で三角筋(肩の筋肉)に打つ対象となっていました。

参加した学生をランダムに2グループに分けました。

  • 普通の手順で注射するグループ
  • 普通の手順で注射する直前に、刺す場所を10秒間指で押さえるグループ

注射したあとに、痛さを数字で表す指標を使って痛さを聞き取りました。

 

実験から次の結果が得られました。

注射後の平均の痛みのスコアは、実験群に比べて対照群で高かった(P<0.05)。

注射前に10秒押さえたグループのほうが、痛みが軽くなっていました

 

注射する場所を10秒抑えるという簡単な方法で痛みが軽くなったという報告を紹介しました。

なお、この研究では筋肉注射(筋注)が使われています。日本では皮下注射が使われる場面が多いですが、一般に皮下注射よりも筋肉注射のほうが痛みは軽いと言われています。皮下注射できる薬の多くは筋肉注射ができます。

注射する場所や注射する薬剤が違っても同様に効果があるかは改めて検討する余地がありますが、簡単な方法だけに、いろいろな場面で試せるかもしれません。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

The effect of the application of manual pressure before the administration of intramuscular injections on students' perceptions of postinjection pain: a semi-experimental study.

J Clin Nurs. 2016 Aug 18. [Epub ahead of print]

[PMID: 27535654]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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