◆血圧高めの人に鍼治療は効く?
ここで紹介する研究は、収縮期血圧が120mmHgから159mmHg、または拡張期血圧が80mmHgから99mmHgの人を対象としました。
収縮期血圧が140mmHg以上、拡張期血圧が90mmHgのどちらかまたは両方に当てはまれば高血圧と診断されます。この研究の対象者は血圧が正常範囲の高めから軽度の高血圧の人ということになります。
30人の対象者がランダムに2グループに分けられ、鍼治療をするグループ、何もしないグループとされました。
◆拡張期血圧が下がった
次の結果が得られました。
拡張期血圧は治療後に群間で有意な差があったが(-5.7mmHg、P=0.025)、収縮期血圧には差がなかった(-6.0mmHg、P=0.123)。
鍼治療をしたグループのほうが拡張期血圧が下がっていました。収縮期血圧には差がありませんでした。
鍼治療で血圧にも多少の効果があるかもしれないという結果でした。鍼治療は現代の医療にも取り込まれ、痛みを抑える効果などが知られています。ほかの治療法と並んで役に立つ場面がまだあるのかもしれません。
執筆者
Acupuncture lowers blood pressure in mild hypertension patients: a randomized, controlled, assessor-blinded pilot trial.
Complement Ther Med. 2015 Oct.
[PMID: 26365445]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。