◆低炭水化物群と低脂肪群にランダムに振り分け
今回の研究は、心筋梗塞や糖尿病などがなく、BMI(体重÷身長の2乗)が30以上の肥満がある人148人を、低炭水化物の食事療法を行う群または低脂肪の食事療法を行う群にランダムに分けました。
低炭水化物の食事は、炭水化物を1日40g未満、低脂肪の食事は脂肪分を1日のエネルギー摂取量の30%未満(うち、飽和脂肪酸から成る脂肪は7%未満)としました。
◆低炭水化物の食事を行うと体重減少や脂肪量、コレステロール値など改善
以下の結果が得られました。
12ヶ月の時点で、低炭水化物群の対象は、体重(平均変化量の差-3.5kg、95%信頼区間-5.6から-1.4kg、p=0.002)、脂肪量(平均変化量の差-1.5%、95%信頼区間-2.6%から-0.4%、p=0.011)、全/HDLコレステロール値の比(平均変化量の差-0.44、95%信頼区間-0.71から-0.16、p=0.002)、中性脂肪値(平均変化量の差-0.16mmol/l[-14.1mg/dl]、95%信頼区間-0.31から-0.01mmol/l[-27.4から-0.8mg/dl]、p=0.038)、を、低脂肪の食事群を行った人よりもより大きく減少し、HDLコレステロール値(平均変化量の差0.18mmol/l[7.0mg/dl]、95%信頼区間0.08から0.28mmol/l[3.0-11.0mg/dl]、p<0.001)をより大きく増加した。
低炭水化物の食事療法を12ヶ月間行うと、低脂肪食よりも、体重の減少が大きく、コレステロール、中性脂肪など血液検査値の改善が見られたという結果でした。
肥満は多くの病気の危険性を増やす要因として研究され、肥満治療のための食事療法には様々な議論があります。低炭水化物食もそのひとつで、こうした研究から、より効果的な食事療法がわかってくるかもしれません。
執筆者
Effects of low-carbohydrate and low-fat diets: a randomized trial.
Ann Intern Med. 2014 Sep 2
[PMID: 25178568]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。