カロリーは変えずに糖類制限をするとどうなる?

ダイエットのためにカロリー摂取量を減らす人も多いと思いますが、栄養バランスに着目することにも意味があるかもしれません。今回の研究では、カロリーの摂取量は変えずに、糖類の量を減らすことで子どもの健康が改善することを報告しました。
◆カロリーを変えずに糖類を減らすと何が変わる?
今回の研究では、肥満またはメタボリックシンドロームの子ども43人に、カロリーを変えずに糖類制限を行った前後で、血液検査値や血圧がどのように変化するか検証しました。糖類制限は、食事中の糖類の割合を28%から10%に減らし、デンプンで置き換えました。研究は9日間行われました。
◆カロリーを変えずに糖類を減らすとLDLコレステロール値、血圧などが改善
以下の結果が得られました。
拡張期血圧 (-5mmHg、p=0.002)、乳酸(-0.3mmol/l、p<0.001)、トリグリセリド 値、LDLコレステロール 値(-46%、-0.3mmol/l、p<0.001)が減少した。耐糖能と高
インスリン 血症が改善した(p<0.001)。
カロリーを変えなくても、食事中の糖類の割合を減らすだけで、LDLコレステロールや最低血圧などが改善するという結果でした。
今回の研究は、糖類制限の前後の変化を検証しただけで、糖類制限をしなかった場合との比較がなされていませんので、血圧や検査値の変化が糖類制限の効果と言えるかは不明です。今後、対照群との比較によりその効果が明らかになることを期待します。
執筆者
Isocaloric fructose restriction and metabolic improvement in children with obesity and metabolic syndrome.
Obesity (Silver Spring). 2015 Oct 26
[PMID: 26499447]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。