2017.11.15 | ニュース

子供が1型糖尿病と診断されたら末期腎不全になる割合はどれくらい?

ノルウェー7,871人の統計から

from Diabetes care

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1型糖尿病は子供にも発症します。2型糖尿病と違って肥満が原因ではなく、原因は不明です。将来の合併症も懸念されますが、末期腎不全の発症率は低いとする推計が報告されました。

15歳未満で1型糖尿病と診断されてからの経過

ノルウェーの研究班が、子供のころに1型糖尿病発症症状や病気が発生する、または発生し始めることした人の長期的な経過を、最大42年間追跡したデータをもとに推計し、専門誌『Diabetes Care』に報告しました。

研究班は、ノルウェー全国にわたる追跡調査のデータを解析しました。1973年から1982年の間と1989年から2012年の間に15歳未満ではじめて1型糖尿病と診断された人を対象としました。

データから末期腎不全の発症率を計算しました。

血糖血液中のブドウ糖のこと。人が活動するためのエネルギー源。血液中の濃度を血糖値といい、糖尿病の診断に用いられる値が高い状態が長年続くと、全身のさまざまな臓器に合併症ある病気や治療によって引き起こされる、別の病気や病態のことが現れる恐れがあります。糖尿病腎症は代表的な合併症のひとつです。腎臓のダメージが進んで末期腎不全の状態になると、透析血液の中から不要な物質を取り除く治療のこと。腎不全の場合が主だが、その他の病気でも、血液中に異常に溜まった物質を取り除く必要があるときに行われるなどの治療が必要になります。

 

40年で5.3%

データの解析から次の結果が得られました。

7,871人の患者の間で、フォローアップ期間は147,714人年に相当し、末期腎不全は103人(1.3%)で発症した。糖尿病の診断から末期腎不全の発症までの平均期間は25.9年(範囲12.7-39.1年)だった。末期腎不全の累積発症率は糖尿病病期がん等の進行の程度を示す言葉。がんの場合、大きさや広がり、リンパ節転移の有無、他の臓器への転移の有無などで決定され、治療方法に影響する間20年で0.7%(95%信頼区間0.4-1.0)、30年で2.9%(2.3-3.7)、40年で5.3%(4.3-6.5)だった。

対象者7,871人のうち、追跡期間に末期腎不全となった人は103人でした。1型糖尿病と診断されてからの期間ごとでは、20年で0.7%、30年で2.9%、40年で5.3%の人が末期腎不全になると推計されました。

末期腎不全の発症率について、1973年から1982年までに1型糖尿病を診断された人と、1989年から2012年までに診断された人で統計的な差は見つかりませんでした。

 

子供が糖尿病と言われても大丈夫?

15歳未満で1型糖尿病と診断されてから末期腎不全に至る人は長期的にも少ないとする報告を紹介しました。

この推計値には、血糖値を下げる治療などの効果が反映されていると思われます。

末期腎不全以外にも注意するべき糖尿病の合併症はありますが、生活習慣と関係なく子供に1型糖尿病が発症した場合でも、合併症を防ぐための治療があります。治療や将来予想されることについて主治医とよく話し合い、前向きに治療に取り組むことが大切です。

執筆者

大脇 幸志郎


参考文献

Low Incidence of End-Stage Renal Disease in Childhood-Onset Type 1 Diabetes Followed for Up to 42 Years.

Diabetes Care. 2017 Oct 12. [Epub ahead of print]

[PMID: 29025877 ]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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